公認心理師 過去問
第8回(2025年)
問61 (午前 問61)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

公認心理師試験 第8回(2025年) 問61(午前 問61) (訂正依頼・報告はこちら)

20歳の男性A、大学3年生。Aは、レポート課題の締め切りが守れず、進級できるか心配であると訴え、学生相談室を訪れ、公認心理師Bが面接を行った。Aは、計画的に課題に取り組むことが苦手で、気が散りやすいこともあり、複数の科目でレポート提出が間に合わず、単位取得が遅れている。Aによると、小学生以来、忘れ物が多かったものの、成績は良かったため気にすることはなかった。また、興味のあることに熱中すると時間を忘れてしまい、遅刻して困ることもあるという。これを機に自分の特徴を詳しく知りたいと希望している。
Aのアセスメントのために、Bが実施するテストバッテリーに含める心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
  • AQ−J
  • CAARS
  • CES−D
  • K6
  • STAI

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

正解は「CAARS」です。この設問では、20歳の男性Aが現在、気の散りやすさにより悩みを抱えており、幼少期より忘れものの多さや、興味のあることに対する過集中傾向があったことが説明されています。エピソードからは注意欠如・多動性障害(ADHD)の傾向が見受けられるため、それに適した心理検査をテストバッテリーに含めることが求められます。

選択肢1. AQ−J

不適切です。AQ-J自閉スペクトラム症(ASD)の傾向を測定するために用いられる心理検査となります。

選択肢2. CAARS

適切ですCAARS(Conners’Adult ADHD Rating Scales)は、18歳以上を対象とした注意欠如・多動性障害(ADHD)の症状重症度を把握するための評価尺度です。18歳未満の子どものADHDとそれに関連する症状を評価する場合には、Connersが用いられます。

選択肢3. CES−D

不適切です。CES−Dは、うつ病の診断・評価をするために用いられる心理検査となります。

選択肢4. K6

不適切です。K6は、うつ病や不安障害などの精神疾患をスクリーニングすることを目的として用いられる心理検査です。

選択肢5. STAI

不適切です。STAIは、個人の不安を状態不安・特性不安2つの側面から測定する心理検査です。

まとめ

この設問では、ADHDのスクリーニングをするための心理検査の名称が問われています。心理検査は多岐に渡りますが、注意欠如・多動性障害(ADHD)自閉スペクトラム症(ASD)などの代表的な発達障害のスクリーニング検査については覚えておけると良いでしょう。

参考になった数7

02

この問題で覚えておくべきポイントは以下の通りです。

各アセスメントツールの内容と目的、適応について問われています。

では、問題を見てみましょう。

選択肢1. AQ−J

間違いです。

自閉症スペクトラム症に関するスクリーニング検査です。

確かに過集中の反応はありますが、社会性は保たれているため、Aの症状は当てはまりません。

選択肢2. CAARS

正解です。

成人の注意欠陥多動の症状を検査できます。

Aの症状の気の散りやすさ(注意散漫)、過集中、忘れ物の多さなどが、この症状と一致します。

選択肢3. CES−D

間違いです。

15歳以上のうつ状態に関するスクリーニングが目的です

問題文から気分の落ち込みは確認されていません。

選択肢4. K6

間違いです。

15歳以上の精神的ストレスのスクリーニングが目的です

うつ傾向や不安症状は問題文からは読み取れません。

選択肢5. STAI

間違いです。

不安症状が一時的か性格的なものかについてのスクリーニングが目的です

確かに進級できるかという不安がありますが、Aは他の症状もあるため、不適切です。

まとめ

ADHD、ASDについては、特徴的な症状があり、診断に関する変遷もあります。

診断基準を理解していれば、各検査バッテリーとの照合も迷いが少なくなると思います。

検査の対象、目的と合わせて覚えておきましょう。

参考になった数1