公認心理師 過去問
第5回(2022年)
問73 (午前 問73)
問題文
Aの興味や適性と考え直した進路との関係を説明する理論として、最も適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第5回(2022年) 問73(午前 問73) (訂正依頼・報告はこちら)
Aの興味や適性と考え直した進路との関係を説明する理論として、最も適切なものを1つ選べ。
- D. E. Super のライフ・キャリア・レインボー
- E. H. Schein の3つのサイクル
- J. D. Krumboltz の計画された偶発性
- J. L. Holland の六角形モデル
- N. K. Schlossberg のトランジション
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この過去問の解説 (3件)
01
問題文に「Aの興味や適性と考え直した進路との関係を説明する理論」とあることから、人格や適性と職業を関連付ける理論を探します。
ライフ・キャリア・レインボーとは、人生やキャリアの多様性を大切にする考え方です。具体的には、次のような意味を持ちます。
ライフ・レインボー:人生において、様々な経験をすることが大切であるという考え方です。
キャリア・レインボー:キャリアにおいても、多様な経験をすることが重要です。例えば、異なる業界や職種に挑戦することで、自分の能力や興味に合った仕事を見つけることができます。
レインボー・キャリア:キャリアにおいて、性別や性的指向、人種、国籍、年齢、障がいなど、多様な背景を持つ人々が、自分らしいキャリアを実現することができる社会を目指す考え方です。
Scheinは、組織変革に必要な3つのサイクルについて提唱しました。
アセスメントサイクルでは、組織のメンバーの価値観などを理解するために、インタビューやアンケート、観察などを通じて、組織の問題やニーズを明確化することができます。
インターベンションサイクルでは、トレーニングやコンサルティング、グループディスカッションなどの活動を通じて、組織のメンバーが新しいスキルや行動を身に付けることを支援します。
評価サイクルでは、インターベンションサイクルで実施したプログラムの成果を評価し、改善点を把握するためにアセスメントが行われます。
Krumboltzは、キャリア開発は単なる計画に基づくものではなく、偶発的な出来事や、予期せぬチャンスを通じてもたらされる可能性があると主張しています。計画された偶発性は、キャリアの選択や進路において、自己理解や情報収集だけでなく、偶発的な出来事や予期せぬチャンスを活かすことが重要であることを示唆しています。
正解です。六角形モデルは、人格の特徴を6つの要素に分類し、それぞれの要素がどのような職種や職業に適しているかを示すモデルです。6つの要素は以下のとおりです。
①現実志向(Realistic):物事を実際に操作することが好きで、体力や技術的なスキルを要する仕事に向いています。例えば、建設作業員、メカニック、看護師など。
②知的志向(Investigative):分析的な思考が得意で、問題解決や理論的な分析を要する仕事に向いています。例えば、研究者、科学者、コンピュータープログラマーなど。
③芸術志向(Artistic):創造性があり、芸術的な活動や表現が好きな人に向いています。例えば、芸術家、作曲家、デザイナーなど。
④社交志向(Social):人との交流が好きで、人を助けることができる職種に向いています。例えば、教師、ソーシャルワーカー、看護師など。
⑤企業志向(Enterprising):リーダーシップや経営能力があり、競争的な環境で働くことが好きな人に向いています。例えば、経営者、セールスマン、政治家など。
⑥公共志向(Conventional):秩序や規律を守ることが好きで、事務的な仕事に向いています。例えば、会計士、事務員、銀行員など。
トランジション理論とは、個人が変化や移行期に直面したときに、その過程を理解し、適切に対処するためのフレームワークです。トランジション理論によれば、個人は変化に直面すると、以下の3つの段階を経験するとされています。
離別期(Ending):変化が始まる前の状態を引き離され、失うことを感じる期間です。この段階では、過去の状況を思い出し、別れを惜しむ気持ちや喪失感が強くなることがあります。
中間期(Neutral Zone):過去と未来の狭間にいる期間であり、不確実性が高まり、ストレスや不安が増すことがあります。この段階では、新しい状況に適応するために、過去の習慣や信念を捨て、新しいアイデアや視点を模索することが必要となります。
新しい始まり期(New Beginning):変化が完了し、新しい状況に適応するための行動を開始する期間です。この段階では、新しい状況に対して前向きな意欲やエネルギーを持ち、新しいアイデアや目標を実現するための計画を立てることができます。
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02
キャリア理論についての設問です。
ドナルド・E・スーパーのライフ・キャリア・レインボーでは、キャリアを仕事に関わらず人生の様々な局面で訪れる役割によって形成されると考えます。
人生における7つの役割として、子ども、学習者、親、余暇人、市民、職業人、家庭人、その他の役割が考えられており、人はいくつも役割を担いながら人生を送っています。
シャインの3つのサイクルとは、生物学的・社会的サイクル、家族関係におけるサイクル、仕事・キャリア形成におけるサイクルのことです。
生物学的・社会的サイクルは「個人の領域」とも言われます。
3つのサイクルは独立しているのではなく、相互に関係していると考えられています。
計画された偶発性理論とは、「個人のキャリアの8割は、予想しない偶発的なことで決定される」という考えに基づく理論です。
適切です。
六角モデルでは、パーソナリティと環境(職場の環境)のタイプを6つに分類し、個人と職場のマッチングをはかります。
パーソナリティの6つのタイプには現実的タイプ(Realistic)、研究的タイプ(Investigative)、芸術的タイプ(Artistic)、社会的タイプ(Social)、企業的タイプ(Enterprising)、慣習(習慣)タイプ(Conventional)があり、六角モデルのことを、頭文字を取ってRIASEC(リアセック)と呼ぶことが多いです。
シュロスバーグのトランジション理論とは、人生や人間関係の転機(就職・転職・結婚・病気・死別などのライフイベント)に対する、対応力がキャリア形成に大きく影響するという理論です。
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03
この問題では、Aが自分の興味や適性を見直した結果、教職志望から技術職志望へ進路を変更した過程を説明できる理論を問われています。
Hollandは、人と職業環境を6つのタイプに分類し、個人の興味・適性と職業環境との適合(Person-Environment Fit)が高いほど満足度や職業的安定性が高くなると考えました。
Superは、生涯にわたるキャリア発達と、人生における様々な役割(学生・職業人・家庭人など)のバランスを重視しました。
Aが興味や適性を再評価したことよりも、生涯発達を説明する理論です。
Scheinはキャリア発達やキャリア・アンカーを提唱しました。
個人の価値観や自己概念と職業選択の関係を説明しますが、本事例のような興味・適性のタイプ分類を説明する理論ではありません。
Krumboltzは、偶然の出来事や予期しない経験をキャリア形成に活用することを重視しました。
アルバイト経験が進路変更の契機になっている点は関連しますが、問題文では「人との関わりよりも機械や道具への興味が強い」という興味・適性の内容そのものを説明する理論が問われています。
正解です。
Hollandは職業興味を次の6類型に分類しました。
R:現実的(Realistic)
I:研究的(Investigative)
A:芸術的(Artistic)
S:社会的(Social)
E:企業的(Enterprising)
C:慣習的(Conventional)
Aは、
教師志望 → 社会的(S)
技術職志望 → 現実的(R)
という興味の違いに気づき、自分に適した進路を再検討しています。
これはHolland理論による職業興味と環境適合の考え方で説明できます。
人生上の転機や変化への適応過程を説明する理論です。
進路変更という変化はありますが、興味・適性と職業選択の一致を説明する理論ではありません。
Aはアルバイトや周囲との交流を通じて、
・人に教える仕事への興味が低い
・機械や道具を扱う仕事への興味が高い
ことに気づきました。
このような興味・適性と職業環境との適合を説明する理論は、J. L. Holland の六角形モデルです。
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