公認心理師 過去問
第7回(2024年)
問136 (午後 問59)

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問題

公認心理師試験 第7回(2024年) 問136(午後 問59) (訂正依頼・報告はこちら)

大学生40人が20人ずつAとBの2群に割り当てられ、両群とも実験室で極めて退屈な作業課題に1時間従事した後、別の参加者にその課題が面白かったと伝えるよう指示された。ただし、A群の実験参加に対する謝金は300円であり、B群の謝金は6,000円であった。作業後に、作業がどの程度楽しかったかについて評定を求めたところ、A群の楽しさの平均値はB群の楽しさの平均値よりも有意に高かった。
この現象を説明する理論として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 役割理論
  • SVR理論
  • バランス理論
  • 社会的比較理論
  • 認知的不協和理論

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では、態度変容と自己認知に関する心理学理論の理解が求められます。

 

特に、行動と態度の不一致が生じた際に、人がどのように自己の態度を調整するかについての知識が重要です。

 

実験の設定、謝金の差異、そして結果の解釈に注目する必要があります。

選択肢1. 役割理論

この選択肢は不適切です。役割理論は社会的地位や期待される行動パターンに焦点を当てていますが、この実験結果を直接説明するものではありません。

選択肢2. SVR理論

この選択肢は不適切です。SVR(Stimulus-Value-Role)理論は対人関係の発展過程を説明するものであり、この実験の結果とは直接関連しません。

選択肢3. バランス理論

この選択肢は不適切です。バランス理論は人々の態度の一貫性を説明しますが、この実験での謝金の差異と態度変化を十分に説明できません。

選択肢4. 社会的比較理論

この選択肢は不適切です。社会的比較理論は他者との比較による自己評価を説明しますが、この実験では他者との比較が主要な要因ではありません。

選択肢5. 認知的不協和理論

この選択肢が正解です。認知的不協和理論は、態度と行動の不一致から生じる心理的不快感とその解消過程を説明します。低謝金群(A群)は、退屈な作業を面白いと言う行動と実際の感情の不一致を解消するため、態度を変化させたと考えられます。

まとめ

この実験結果は認知的不協和理論によって最もよく説明されます。

 

低謝金群は行動(面白いと言うこと)と態度(実際の感情)の不一致を解消するため、態度を変化させました。一方、高謝金群は外的な正当化(高い報酬)があるため、態度を変える必要がありませんでした。

 

この理論は、人が自己の一貫性を保つために態度を変化させる過程を説明し、態度変容や自己認知の研究において重要な役割を果たしています。

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02

以下に解説します。

選択肢1. 役割理論

社会的役割や期待に基づく行動を説明する理論で、このシナリオには当てはまりません。

選択肢2. SVR理論

恋愛や人間関係における親密さの発展を説明する理論で、今回の状況には関係ありません。

選択肢3. バランス理論

人間関係における三者間の調和を説明する理論で、今回の状況には適していません。

選択肢4. 社会的比較理論

他者との比較に基づく自己評価を説明しますが、今回のシナリオでは報酬と行動の矛盾がメインの要因です。

選択肢5. 認知的不協和理論

正解です。認知的不協和理論は、ライオネル・フェスティンガーによって提唱された理論で、個人が自分の行動と態度の間に不一致や矛盾を感じたときに、その不一致を解消しようとする心理的過程を説明します。

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03

この問題の実験は、「認知的不協和理論」を説明する代表的なものとして知られています。

 

選択肢1. 役割理論

不適切な記述です。

役割理論は、人が社会的地位や立場に応じた役割期待に基づいて行動すると考える理論です。

選択肢2. SVR理論

不適切な記述です。

SVR理論は、対人関係の発展の過程を説明するもので、刺激・価値・役割の三段階を経て親密な関係が形成されると考える理論です。

選択肢3. バランス理論

不適切な記述です。

バランス理論は、自分・相手・他者の三者の関係における、認知的一貫性を説明する理論です。

選択肢4. 社会的比較理論

不適切な記述です。

社会的比較理論は、自分の能力を評価するために他者と比較する傾向を説明する理論です。

選択肢5. 認知的不協和理論

適切な記述です。

被検者は退屈な課題を行った後、次の参加者に「この課題は面白かった」と伝えるよう求められます。実際には退屈だったにもかかわらず、「面白かった」と説明することになるため、自分の認知と行動の間に矛盾が生じます。

 

謝金が6000円のB群では「高額な報酬をもらったから、面白いと言っておくか」と自分の行動を正当化できます。

一方で300円のA群では、行動を正当化する理由としては報酬が不十分であるため、「本当はそんなに退屈じゃなかったのかも」と態度を変容させることで、認知と行動の不一致を解消しようとします。

その結果、A群のほうが、課題を「楽しかった」と評価したのです。

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