公認心理師 過去問
第9回(2026年)
問154 (事例検討 問18)

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問題

公認心理師試験 第9回(2026年) 問154(事例検討 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

45歳の男性A、中堅金融会社の人事労務担当者。会社の業績は好調であるが、このところ、メンタルヘルスの不調を来す従業員が立て続けに出現したため、健康管理室に勤務する公認心理師Bに相談した。Aが勤務する会社では、感染症対策として導入されたテレワークが制度として定着したところであった。従業員は、上司の指示に即応することが求められている。Bは、テレワークが導入されたことによる業務態様の変化が従業員の負担になっているのではないかと考え、Aに対策を検討するよう助言した。
考えられる対策として、適切なものを2つ選べ。
  • 休憩時間の一斉付与
  • みなし労働時間の導入
  • 時間外、休日又は深夜の上司からのメール送付の抑制
  • テレワーク先から常時アクセス可能なシステムの設定
  • パソコンの使用時間の記録などを利用した労働時間の把握

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この過去問の解説 (2件)

01

この会社では、テレワークが定着した一方で、従業員が上司の指示にすぐ対応することを求められています。
そのため、仕事と私生活の区切りがつきにくくなり、長時間労働や心理的な負担につながっている可能性があります。

選択肢1. 休憩時間の一斉付与

休憩時間を一斉に与えることは、労働時間管理の基本的な考え方の一つです。
しかし、この事例で問題になっているのは、テレワークによって仕事と私生活の境目があいまいになり、常に仕事に対応しなければならないような負担が生じている点です。

選択肢2. みなし労働時間の導入

みなし労働時間は、実際の労働時間を正確に把握しにくい場合に、一定時間働いたものとみなす制度です。
しかし、テレワークだからといって、すぐにみなし労働時間にするわけではありません。
パソコンの使用時間や業務開始・終了の報告などで労働時間を把握できる場合は、実際の労働時間を管理することが大切です。

選択肢3. 時間外、休日又は深夜の上司からのメール送付の抑制

正解です。

テレワークでは、職場にいなくてもメールやチャットで仕事の連絡が届きます。
そのため、時間外や休日、深夜にも上司から連絡が来ると、従業員は休んでいても仕事から離れにくくなります。

この会社では、上司の指示に即応することが求められているため、従業員が常に緊張している可能性があります。
勤務時間外のメール送付を控えることは、仕事と私生活の区切りをつけ、メンタルヘルス不調を防ぐ対策として適切です。

選択肢4. テレワーク先から常時アクセス可能なシステムの設定

いつでも会社のシステムにアクセスできるようにすると、便利な面はあります。
しかし、常時アクセスできる状態は、従業員が勤務時間外にも仕事をしてしまう原因になりやすいです。

この事例では、すでに上司の指示にすぐ対応することが求められ、負担が増えている可能性があります。
そのため、常時アクセス可能にすることは、かえって仕事と休みの境目をなくし、負担を強めるおそれがあります。

選択肢5. パソコンの使用時間の記録などを利用した労働時間の把握

正解です。

テレワークでは、上司が従業員の働き方を直接見ることが難しくなります。
そのため、働きすぎが見逃されたり、休憩が十分に取れていなかったりすることがあります。

パソコンの使用時間、ログイン・ログアウトの記録、業務開始・終了の報告などを使って、労働時間を把握することは大切です。
これにより、長時間労働を防ぎ、メンタルヘルス不調の予防につなげることができます。

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テレワークでは、仕事と私生活の境界が曖昧になりやすく、長時間労働や「常につながっていなければならない」という心理的負担が生じやすいことが指摘されています。そのため、従業員のメンタルヘルスを守るためには、適切な労働時間管理と、勤務時間外の業務連絡を抑制する仕組みづくりが重要になります。

選択肢1. 休憩時間の一斉付与

休憩時間の一斉付与は、工場や店舗など同一の場所で働くことを前提とした管理方法です。テレワークに特有のメンタルヘルス対策として優先されるものではありません。

選択肢2. みなし労働時間の導入

みなし労働時間制は、実際の労働時間ではなく一定時間働いたものとみなす制度です。テレワークによる長時間労働を把握しにくくする可能性があり、本事例の対策としては適切とはいえません。

選択肢3. 時間外、休日又は深夜の上司からのメール送付の抑制

勤務時間外に上司から頻繁にメールや連絡が届くと、従業員は常に仕事への対応を求められていると感じやすくなります。勤務時間外の連絡を抑制することは、仕事と私生活の境界を明確にし、心理的負担を軽減するために有効な対策です。

選択肢4. テレワーク先から常時アクセス可能なシステムの設定

常時アクセス可能なシステムの設定は、いつでも業務対応が求められる状況につながりやすく、テレワーク特有の負担を増大させる可能性があります。そのため、メンタルヘルス対策としては適切ではありません。

選択肢5. パソコンの使用時間の記録などを利用した労働時間の把握

テレワークでは労働時間の把握が難しくなるため、パソコンの使用時間やログイン・ログアウト記録などを活用して実際の労働時間を把握することが重要です。長時間労働の防止や健康管理の観点から有効な対策といえます。

まとめ

テレワークにおけるメンタルヘルス対策では、勤務時間外の業務連絡を抑制し、仕事と私生活の境界を守ることが重要です。また、客観的な方法で労働時間を把握し、長時間労働を防止することも求められます。

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