公認心理師 過去問
第9回(2026年)
問153 (事例検討 問17)

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問題

公認心理師試験 第9回(2026年) 問153(事例検討 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

29歳の男性A、精密機器製造企業の従業員。入社以降5年にわたり専門性の高い業務を担当していることに喜びを感じて、自主的に業務改善の提案を上司に行っていた。この行動が社内で評価され、会社は
「優秀提案賞」の制度を設けて、報奨金を出すようになった。制度創設後には、A以外の社員も提案を行うようになり、Aが受賞することもあったが、他の社員が受賞する機会も増えてきた。最近のAは、「褒められないとやる気が出ない」、「報奨金をもっと増額してくれると頑張れるのに」と言うようになり、自発的な提案は減少してきた。
この現象を表す用語として、最も適切なものを1つ選べ。
  • ハロー効果
  • バンドワゴン効果
  • プライミング効果
  • フレーミング効果
  • アンダーマイニング効果

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この過去問の解説 (2件)

01

正しい選択肢は、「アンダーマイニング効果」です。

 

Aはもともと、仕事そのものに喜びを感じ、自分から業務改善の提案をしていました。
しかし、報奨金や受賞の制度ができた後は、「褒められないとやる気が出ない」「報奨金がもっとあれば頑張れる」と考えるようになり、以前のような自発的な提案が減っています。

選択肢1. ハロー効果

ハロー効果は、ある目立つ特徴に引きずられて、その人全体をよく評価したり悪く評価したりすることです。
たとえば、「話し方がしっかりしているから、仕事もすべて優秀だろう」と思い込むような場合です。
Aの事例では、人の評価が一つの印象に左右されているのではなく、報酬によって自発的なやる気が弱まっていることが問題です。

選択肢2. バンドワゴン効果

バンドワゴン効果は、多くの人が選んでいるものを、自分も選びたくなる現象です。
「みんなが買っているから自分も欲しい」「人気があるからよいものだと思う」といった場合です。
この事例では、Aが周囲に流されて提案を始めたわけではありません。
中心は、報奨金制度によってAのやる気の質が変わったことです。

選択肢3. プライミング効果

プライミング効果は、先に見たり聞いたりした情報が、後の判断や行動に影響することです。
たとえば、ある言葉を先に見たことで、関連する言葉を思い出しやすくなるような場合です。
Aの事例では、先に与えられた刺激が後の反応に影響しているというより、報酬によってやる気が変化しています。

選択肢4. フレーミング効果

フレーミング効果は、同じ内容でも、伝え方や見せ方によって受け取り方が変わる現象です。
たとえば、「成功率90%」と「失敗率10%」は同じ意味でも、印象が変わることがあります。
この事例では、情報の見せ方によって判断が変わったわけではありません。

選択肢5. アンダーマイニング効果

正解です。

アンダーマイニング効果は、もともと自分からやりたいと思っていた行動に報酬が与えられることで、かえって内側からのやる気が弱くなる現象です。

Aは最初、専門性の高い仕事に喜びを感じ、自主的に業務改善の提案をしていました。
これは、仕事そのものへの興味や達成感による内発的動機づけです。

しかし、報奨金制度ができた後は、褒められることや報奨金の額を気にするようになりました。
その結果、自発的な提案が減っています。
これは、外からの報酬によって、もともとの自発的なやる気が弱まった状態なので、アンダーマイニング効果に当たります。

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02

Aは当初、仕事そのものへの興味や達成感から自主的に業務改善提案を行っていました。しかし、報奨金制度が導入された後は、提案活動の目的が報酬や評価の獲得へと変化し、自発的な提案が減少しています。このように、もともと内発的な動機づけによって行われていた行動が、外発的報酬によって弱められる現象が問われています。

選択肢1. ハロー効果

ハロー効果とは、ある特徴に対する評価が他の特徴の評価にも影響を及ぼす現象です。例えば、「仕事ができる人だから性格も良いだろう」と判断するような場合を指します。本事例とは関係ありません。

選択肢2. バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、多くの人が支持しているものを自分も支持しやすくなる現象です。流行や多数派への同調を説明する概念であり、本事例には当てはまりません。

選択肢3. プライミング効果

プライミング効果とは、先行する刺激が後続の認知や行動に影響を与える現象です。報酬によって内発的動機づけが低下する現象とは異なります。

選択肢4. フレーミング効果

フレーミング効果とは、同じ内容であっても提示の仕方によって判断が変化する現象です。意思決定に関する概念であり、本事例の説明には適しません。

選択肢5. アンダーマイニング効果

アンダーマイニング効果とは、もともと内発的動機づけによって行われていた行動に対して外発的報酬を与えることで、かえって内発的動機づけが低下する現象です。Aは仕事そのものにやりがいを感じて提案していましたが、報奨金制度の導入後は報酬や評価を求めるようになり、自発的な提案が減少しています。本事例はアンダーマイニング効果を示しています。

まとめ

アンダーマイニング効果は、内発的動機づけによって行われていた行動に対して外発的報酬を与えることで、もともとのやる気が低下してしまう現象です。本事例では、仕事へのやりがいから行っていた提案活動が、報奨金制度の導入後に減少していることから、アンダーマイニング効果と考えられます。

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