公認心理師 過去問
第8回(2025年)
問31 (午前 問31)

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問題

公認心理師試験 第8回(2025年) 問31(午前 問31) (訂正依頼・報告はこちら)

E. H. Sutherlandが提唱した分化的接触理論の内容として、適切なものを1つ選べ。
  • 犯罪に至らないのは、犯罪を抑止する社会的な繋がりが関連している。
  • 犯罪行動は、コミュニケ―ションの過程で他者との相互作用によって学習される。
  • 非行少年は、自身の非行が違法であることを認識しており、自らの行為を正当化して非行に至る。
  • 非行少年は、自らの社会的地位に対する不満から、特有の文化を共有する非行集団内での地位向上のため非行に至る。
  • 犯罪者は、経済的成功という目標を合法的手段で達成できない状態から逃れるために、犯罪によってでも目標を達成しようとする。

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この過去問の解説 (1件)

01

E. H. Sutherlandが提唱した分化的接触理論についての問題です。

分化的接触理論は、犯罪者心理をまとめた9つの理論です。

選択肢1. 犯罪に至らないのは、犯罪を抑止する社会的な繋がりが関連している。

誤りです。犯罪に至らないのは、犯罪を抑止する社会的な繋がりが関連しているは社会的絆理論です。

選択肢2. 犯罪行動は、コミュニケ―ションの過程で他者との相互作用によって学習される。

正解です。E. H. Sutherlandは、犯罪行動は、コミュニケ―ションの過程で他者との相互作用によって学習されると提唱しました。

 

選択肢3. 非行少年は、自身の非行が違法であることを認識しており、自らの行為を正当化して非行に至る。

誤りです。非行少年は、自身の非行が違法であることを認識しており、自らの行為を正当化して非行に至るはE. H. Sutherlandは提唱していません。非行少年に限りませんが、犯罪者が自らの行動を正当化するために用いる理論は中和理論と言います。

選択肢4. 非行少年は、自らの社会的地位に対する不満から、特有の文化を共有する非行集団内での地位向上のため非行に至る。

誤りです。非行少年は、自らの社会的地位に対する不満から、特有の文化を共有する非行集団内での地位向上のため非行に至るはE. H. Sutherlandは提唱していません。

選択肢5. 犯罪者は、経済的成功という目標を合法的手段で達成できない状態から逃れるために、犯罪によってでも目標を達成しようとする。

誤りです。犯罪者は、経済的成功という目標を合法的手段で達成できない状態から逃れるために、犯罪によってでも目標を達成しようとするは、E. H. Sutherlandは提唱していません。

まとめ

E. H. Sutherlandが提唱した分化的接触理論は、9つの命題になっています。

①「犯罪行動は学習される。」

②「犯罪行動はコミュニケーションの相互作用において学習される。」←今回の問題です。

③「犯罪行動の学習は主に私的集団の中で行われる。」

④「犯罪行動の学習は単純と複雑に偏りやすい。」

⑤「犯行の動機は法規範に好意的なこともあれば、非好意的なこともある。」

⑥「人は法違反の動機づけにおいて犯罪を犯す。」

⑦「分化的接触は頻度、期間、優先性、強度など様々である。」

⑧「犯罪行動パターンとの接触による犯罪行動の学習は、他の学習と同様のメカニズムを辿る。」

⑨「犯罪行動は一般的な欲求と価値の表現であるが、これだけでは説明できない。」

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