公認心理師 過去問
第8回(2025年)
問69 (午前 問69)
問題文
17歳の男子A、無職。Aは、高校中退後、不良交友をする中で、先輩Bとバイクを窃盗し、家庭裁判所で教育的措置を受け不処分となった。事件後、約8か月、建築作業員として働き、その間非行はなかった。しかし、Bからの誘いで交友が復活し、仕事を辞めた。Aは、Bと複数回バイクを窃盗して逮捕され、弁護士の付添人がついて、家庭裁判所で審判を受けた。家庭裁判所は、Aが地元を離れて不良交友を断ち、就労を継続できれば更生できる可能性もあると考え、民間の篤志家に生活と就労の指導を委託し、経過をみた上で終局処分を決める旨の決定をした。
終局処分の決定まで、Aの行状の観察を担当する職種として、正しいものを1つ選べ。
終局処分の決定まで、Aの行状の観察を担当する職種として、正しいものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第8回(2025年) 問69(午前 問69) (訂正依頼・報告はこちら)
17歳の男子A、無職。Aは、高校中退後、不良交友をする中で、先輩Bとバイクを窃盗し、家庭裁判所で教育的措置を受け不処分となった。事件後、約8か月、建築作業員として働き、その間非行はなかった。しかし、Bからの誘いで交友が復活し、仕事を辞めた。Aは、Bと複数回バイクを窃盗して逮捕され、弁護士の付添人がついて、家庭裁判所で審判を受けた。家庭裁判所は、Aが地元を離れて不良交友を断ち、就労を継続できれば更生できる可能性もあると考え、民間の篤志家に生活と就労の指導を委託し、経過をみた上で終局処分を決める旨の決定をした。
終局処分の決定まで、Aの行状の観察を担当する職種として、正しいものを1つ選べ。
終局処分の決定まで、Aの行状の観察を担当する職種として、正しいものを1つ選べ。
- 検察官
- 児童福祉司
- 保護観察官
- 弁護士(付添人)
- 家庭裁判所調査官
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この過去問の解説 (1件)
01
正解は「家庭裁判所調査官」です。非行少年に対する家庭裁判所の処分についてを問う設問です。少年Aの状況は「経過を見た上で終局処分を決定する」こととされていますが、このように少年に対する処分を直ちに決めることが困難な場合に、少年を適当な期間、試験観察を行い経過を見た上で終局処分を決めることがあります。この設問では、少年Aを試験観察する際に担当する職種について問われています。
不適切です。少年事件においては、警察などが罪を犯した少年を検挙した場合に、捜査を終えた後「検察官」に事件を送致します。検察官は、当該事件について少年に関する捜査を行い、少年の身柄を家庭裁判所に送致するかどうかを決める役割を有しています。
不適切です。「児童福祉司」は、主に18歳未満の児童に関する相談・支援を行っています。非行少年に関しては、主に14歳未満のぐ犯少年、触法少年に対する指導や、家庭裁判所の少年審判により「児童相談所長送致」となった場合に関与し、支援・指導を行っています。
不適切です。「保護観察官」は、犯罪を行った人や非行少年の再犯・再非行の防止を目的とし、社会に復帰するための指導や援助を行っています。家庭裁判所の少年審判により保護観察処分を受けた際に、社会生活の中で指導・支援する中で少年を更生に導くことを目的としています。
不適切です。「弁護士(付添人)」は、少年が家庭裁判所に送致された後、「付添人」として少年の権利を守る役割で活動をしています。
適切です。少年審判において、最終的な処分決定を行うまでの期間、「家庭裁判所調査官」が少年の試験観察を行います。併せて、本設問のように、民間の篤志家などに協力依頼し、少年の更生を図ることを補導委託といい、試験観察に併せて行われることがあります。
少年の非行行為に関しては、この設問で問われているような様々な職種の人が関与しています。「非行少年に関する手続の流れ」(法務省再犯防止推進白書参照)について理解し、どのような機関・職種の人たちが、どのような役割を持って関わっているのかについて、覚えておきましょう。
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