公認心理師 過去問
第8回(2025年)
問144 (午後 問67)

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問題

公認心理師試験 第8回(2025年) 問144(午後 問67) (訂正依頼・報告はこちら)

23歳の男性A、児童養護施設職員。Aは、半年前から長期間の虐待被害経験のある小学5年生の男児Bの担当になった。Bは、日々の暮らしの中で自身が経験した過酷な虐待被害を言語的、非言語的な方法で表現し、Aはそれに翻弄されながらもBが表現する苦しさやつらさ、怒りなどを熱心に、共感的に聴き、信頼関係も形成されるようになってきた。ところが、Bの担当になって3か月が経過した頃から、Aは強い疲労感、絶望感を覚えるようになり、怒りや悲しみに苛まれるようになってきた。ときには、Bが表現した虐待被害の場面が想起されることも出てきた。
Aの現在の状態を説明する概念として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 学習性無力感
  • サバイバーズ・ギルト
  • 二次的外傷性ストレス
  • マイノリティ・ストレス
  • マイクロ・アグレッション

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は 「二次的外傷性ストレス」 です。

 

戦争・虐待・災害など、強いトラウマ体験の話を聞いたり目撃することにより、支援者自身がPTSDのような症状を生じてしまうことです。

支援者が直接ストレス体験をしていなくても発生します。

選択肢1. 学習性無力感

×

逃げようのない状態で恐怖・ストレス・失敗体験を繰り返すと、逃げられる状態でも無気力になり、行動を起こさなくなる状態です。

 

選択肢2. サバイバーズ・ギルト

×

戦争や災害から生き残った人が、自分が生き延びたことへ感じる罪悪感のことです。

選択肢3. 二次的外傷性ストレス

正解です。

選択肢4. マイノリティ・ストレス

×

マイノリティ(少数派)に属することで生じる、差別や偏見などによる慢性的なストレスのことです。

選択肢5. マイクロ・アグレッション

×

悪意の有無に関わらず、否定的・差別的な無意識の言動や態度のことです。

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02

この問題で覚えておくべきポイントは以下の通りです。

様々な診断基準をもとに、具体的な事象が表している病態をあてはめることが求められています。

では、問題を見てみましょう。

選択肢1. 学習性無力感

間違いです。

失敗体験が重なり、行動する意味を見出せず、行動意欲を失う病態です。

問題文では失敗体験が示されていませんので当てはまりません。

選択肢2. サバイバーズ・ギルト

間違いです。

災害など大規模なストレスのかかる経験で生き残った人が、亡くなった方への罪悪感をもつ病態です。

 

選択肢3. 二次的外傷性ストレス

正解です。

Bの経験してきた辛辣な出来事を、Aが自分で体験したように感じ、心理的苦痛を生じる病態です。

支援者に生じやすいと言われています。

選択肢4. マイノリティ・ストレス

間違いです。

社会的に少数派として生活することで生じる慢性的なストレスのことを指します。

選択肢5. マイクロ・アグレッション

間違いです。

発言者の意図せずに、相手を心理的に攻撃してしまっている状態を指します。

 

まとめ

DSM-5など診断基準も含め、各疾患の特徴的な病態については、整理しておきましょう。

発症経緯や症状の持続時間などで、細かく診断が分かれていますので、注意しましょう。

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