公認心理師 過去問
第9回(2026年)
問2 (基礎心理学 問2)
問題文
公認心理師による反省的実践の中核となる考え方を1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第9回(2026年) 問2(基礎心理学 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
公認心理師による反省的実践の中核となる考え方を1つ選べ。
- クライエントの要望に従って支援する。
- クライエントの内省力を基盤として支援する。
- 科学的知見に基づいて、既存の解決法に沿って支援する。
- スーパーバイザーの指導に従って自身の支援方法を修正する。
- 自身の問題把握や解決の仕方を振り返り、検討しながら支援する。
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この過去問の解説 (2件)
01
「自身の問題把握や解決の仕方を振り返り、検討しながら支援する」が正解です。
「反省的実践」とは?
公認心理師にとって「反省的実践」は、単なる振り返りではありません。実践と思考を往復させながら、専門家として成長し続けるプロセスを現しています。
従来の専門家像は、「理論・知識を学ぶ → 現場で適用する」でした。しかし、ドナルド・ショーンはこれを批判しました。心理師の現場には「教科書通りにいかない問題」が山積みしています。クライエントは一人ひとり違い、マニュアルで解決できる「きれいな問題」ばかりではありません。
「行為の中の省察」と「行為についての省察」は、ショーンが提唱した2つの概念があります。
「行為の中の省察」とは、セッション中 「あれ、今クライエントが黙った。何が起きている?」と即座に考え直すことです。
「行為についての省察」とは、セッション後 「今日の面接、なぜあの介入をしたのか?」と振り返ることです。
優れた心理師は、この2つを常に循環させています。「暗黙知」を意識化することが重要です。熟練した心理師は「なんとなくそう感じた」という直観で動くことがあります。これを暗黙知といいます。「反省的実践」とは、この暗黙知を言語化・意識化して問い直す作業でもあります。
「不確実性・複雑性・価値の対立」との向き合い方
カウンセリングの現場には、不確実性(診断が確定しない)、複雑性(複数の問題が絡み合う)価値の対立(本人の意思 vs 家族の希望)が常につきまといます。反省的実践は「答えを出す技術」ではなく、「問い続ける姿勢」そのものです。
公認心理師として特に重要なことは、
自己の感情・価値観・バイアスへの気づき
↓
支援関係やアセスメントへの影響を考える
↓
スーパービジョンやケースカンファレンスで言語化
↓
次の実践に活かす
という流れです。
特に逆転移への気づきは、反省的実践なしには不可能です。
これらから反省的実践を一言で言うと、「自分の実践を、外から見るもう一人の自分を育てること」これが反省的実践の本質です。知識を適用するだけの「技術者」ではなく、自分自身をも観察対象にできる「省察的な実践家」になることが、公認心理師には求められています。
試験対策のポイントは、ショーンの名前と「行為の中の省察 / 行為についての省察」の区別は必ず押さえましょう。
クライエントの要望の尊重は重要ですが、専門職は要望に単に従うのではなく、倫理・安全・効果を含めて判断する必要があります。反省的実践の定義そのものではありません。
反省する主体は主に支援者自身です。クライエントの内省力を基盤にすることは別概念です。
EBP(科学的根拠に基づく実践)寄りの内容であり、反省的実践の「自己省察の循環」を十分表していません。
SVを受けることは有用ですが、「SVに従うこと」自体が中核ではありません。
反省的実践とドナルド・ショーンは、公認心理師としての専門家としての重要な考え方になりますから必ず押さえておきましょう。
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02
公認心理師に限らず心理職として働く者は、自分自身の臨床活動を振り返り、課題に気づき、解決や成長に努める姿勢が大切です。
特定の専門家がその知識や技術を持っているというだけでなく、倫理観や価値観に合った方法で、状況判断や意思決定、行動をするようなことをコンピテンシーと言います。
心理職においては、基盤コンピテンシー、機能コンピテンシー、職業的発達という3次元でとらえる立方体モデルが知られています。
基盤コンピテンシーは専門家としてあるべき態度や倫理的姿勢、機能コンピテンシーは職務の技能、職業的発達は訓練や実践の程度を指します。
「反省的実践」は、基盤コンピテンシーに含まれます。他者に対する自分の影響力を考える、自身の臨床活動について他者の意見も得ながら見直す、効果的な臨床活動ができるよう自分心身の健康へ配慮するなどの態度が含まれます。
上記より、選択肢の中では「自身の問題把握や解決の仕方を振り返り、検討しながら支援する」が正しいと言えます。
誤りです。
クライエントの要望を理解し、それに沿った支援を行うことは大切ですが、反省的実践の説明とは言えません。
誤りです。
クライエントの内省が、クライエント自身の成長や課題解決につながることもありますので、その力をクライエントにおいて活かすことも効果があると言えます。しかし、これは反省的実践の説明とは言えません。
誤りです。
科学的知見を活かすことは、心理職として大切な態度の一つです。過去の研究の方法や知見を理解し、それらをアセスメントや支援へ適切に生かすことができると、より効果的な心理支援が期待できます。これは、反省的実践ではなく、機能コンピテンシーの「研究と評価」の説明と考えられます。
誤りです。
スーパーバイザーより臨床活動について指導を受けることで、心理職としての成長につながります。指導に沿って支援方法を修正することは大切ですが、反省的実践の説明とは言えません。
立体モデルで示されている内容は、どのような領域で働く場合においても、公認心理師として努めるべきものばかりです。資格取得後も、立体モデルを参考にしながら公認心理師としての態度や働き方について振り返るような意識を持ちましょう。
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