公認心理師 過去問
第9回(2026年)
問61 (事例分析 問3)
問題文
25歳の女性A、大学院生。2か月前から、突発的な強い不安感と、動悸や息苦しさ、胸部圧迫感及び四肢のしびれを伴う発作が生じていると訴え、精神科クリニックを受診した。Aによると、発作は講義室や図書館、自宅など、状況を問わず起こる。突然始まり、10分間程度で自然に治まる。発作中は「このまま気を失うのではないか」という強い不安を感じ、発作後には疲労感が残る。発作への恐怖から外出を控えるようになり、大学へ通うことが難しくなっている。修士論文の提出期限が迫っており、データ解析の遅れに強いプレッシャーも感じているという。
Aの病態評価のために行う心理検査として、最も優先度が高いものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第9回(2026年) 問61(事例分析 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
25歳の女性A、大学院生。2か月前から、突発的な強い不安感と、動悸や息苦しさ、胸部圧迫感及び四肢のしびれを伴う発作が生じていると訴え、精神科クリニックを受診した。Aによると、発作は講義室や図書館、自宅など、状況を問わず起こる。突然始まり、10分間程度で自然に治まる。発作中は「このまま気を失うのではないか」という強い不安を感じ、発作後には疲労感が残る。発作への恐怖から外出を控えるようになり、大学へ通うことが難しくなっている。修士論文の提出期限が迫っており、データ解析の遅れに強いプレッシャーも感じているという。
Aの病態評価のために行う心理検査として、最も優先度が高いものを1つ選べ。
-
CAPS
-
HAM−D
-
LSAS−J
-
PDSS
-
STAI
この過去問の解説 (3件)
01
本事例のおいてAは、
・突発的な強い不安感
・動悸、息切れ、しびれ
・10分程度で自然に治まる
・発作中の「気を失うのではないか」という強い不安
・発作への予期不安
・外出の回避行動
などパニック症に見られる症状が認められます。
そのため、PDSS(パニック障害重症度評価尺度)が最も優先度が高いと考えられます。
不正解です。
CAPS(PTSD臨床診断面接尺度)とは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)診断と症状の評価のための構造化面接の検査です。
不正解です。
HAM-D(ハミルトンうつ病評価尺度)とは、うつ病の重症度を評価する検査です。
不正解です。
LSAS-J(リーボヴィッツ社交不安尺度日本語版)とは、社交不安症による恐怖や回避の程度を評価する検査です。
冒頭の解説の通り、正解です。
不正解です。
STAI(状態・特性不安検査)とは、不安を「今感じている不安(状態不安)」と「もともとの不安傾向(特性不安)」の2つを測定する検査です。
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02
突発的な強い不安発作・身体症状・広場恐怖的回避を呈する25歳女性の病態評価に最も優先度が高い心理検査を選ぶ事例問題です。
各不安関連検査の測定対象と適応疾患の正確な理解が求められています。
(分野:心理状態の観察及び結果の分析)
正解は「PDSS」です。
PTSDの症状(侵入・回避・認知・覚醒の変化)の重症度を評価する構造化面接です。
本事例にはトラウマ体験の記述がなく、発作は状況を問わず突発的に生じている点でPTSDとは異なります。
うつ病の重症度を評価する評定尺度で、抑うつ気分・睡眠・興味喪失・罪悪感等を測定します。
本事例の主訴は突発的な不安発作であり、抑うつ症状が主軸ではないため優先度は低くなります。
社交不安症の恐怖・回避の重症度を測定します。
本事例の回避は対人評価への恐怖ではなく発作への恐怖によるものであり、社交不安症の評価尺度は適応外です。
パニック障害の重症度を測定する7項目の評価尺度で、発作頻度・発作中の苦痛・予期不安・広場恐怖的回避・身体感覚への恐怖・職業的障害・社会的障害を評価します。
本事例では「突発的な発作(10分程度)」「動悸・息苦しさ・胸部圧迫感・四肢のしびれ」「発作への恐怖による外出回避」「大学への通学困難」というパニック障害の典型的な症状が揃っており、PDSSが最も適切な病態評価ツールです。
状態不安と特性不安を測定する一般的な不安尺度です。
不安の測定には有用ですが、パニック発作の特異的な症状・重症度・回避行動を包括的に評価するPDSSと比べると病態評価としての特異性が低くなります。
本問のキーワードは「突発的発作・10分程度・身体症状・予期不安・広場恐怖的回避」であり、パニック障害の典型像を読み取りPDSSを選択することが正答の核心です。
各検査の測定対象を疾患別に整理すると、
PDSS=パニック障害
CAPS=PTSD
HAM-D=うつ病
LSAS=社交不安症
STAI=一般的不安となり、
主訴・病態と検査の対応関係を軸に選択できます。
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03
この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。
心理検査の適応や検査目的についての知識が問われています。
では、問題を見てみましょう。
間違いです。
CAPSはClinician-Administered PTSD Scaleの略です。PTSD、心的外傷後ストレス障害が疑われる方に用いられます。
間違いです。
HAM‑D(Hamilton Depression Rating Scale)、ハミルトンうつ病評価尺度です。面接で使用するうつ病の重症度を見る評価です。
間違いです。
LSAS‑J(Liebowitz Social Anxiety Scale – Japanese version)であり、社会不安障害SDSの恐怖や不安の度合いなどを自己記入式の質問紙で評価します。
正解です。
PDSS(Panic Disorder Severity Scale)、パニック障害の重症度を面接にて評価します。
本問題において、突発的な強い不安感など、パニック発作を疑う所見が見られます。
間違いです。
STAI(State–Trait Anxiety Inventory)は、状態不安と特定不安を自己記入式で評価します。
各心理検査は、対象年齢、自己記入式か面接か、対象疾患は何か、など細かく整理しておく必要があります。
略称のみでは忘却しやすいので、正式名称で覚えておきましょう。
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