公認心理師 過去問
第9回(2026年)
問65 (事例分析 問7)

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問題

公認心理師試験 第9回(2026年) 問65(事例分析 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

35歳の男性A、システムエンジニア。朝の起床がつらく、疲労感が抜けないと訴えて内科クリニックを受診した。Aによると、納期に追われ、深夜まで仕事をすることが多い。就寝時間が遅くなっているにもかかわらず、寝ようとしても眠れない。このため、会社の始業時間に間に合うように起床することが難しくなっている。朝起きても熟睡感がなく、身体がだるい。日中も強い眠気があり、会議に集中できなかったり、車の運転中に危険を感じたりする。仕事のパフォーマンスも低下し、上司から注意を受けることが増えている。週末は昼過ぎまで寝てしまい、何もできないまま終わってしまうという。
Aの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
  • うつ病
  • 適応障害
  • 特発性過眠症
  • パラソムニア
  • 概日リズム睡眠・覚醒障害

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この過去問の解説 (3件)

01

Aは、

●深夜まで仕事をすることが多い。

●就寝時間が遅くなっている。

●週末は昼過ぎまで寝てしまう

などと、社会的な生活時間とAの体内時計がずれている状態がみられます。

その結果として、

●寝ようとしても眠れない

●会社の始業時間に間に合うように起床することが難しい

●日中も強い眠気がある

など、生活リズムの乱れが睡眠に悪影響を与えていることがわかります。

これは、概日リズム睡眠・覚醒障害の特徴に当てはまります。

 

選択肢1. うつ病

不正解です。

うつ病でも不眠などはみられますが、本事例では抑うつ症状など、うつ病の特徴的な症状については記載はなく、生活リズムの乱れが中心となっています。

選択肢2. 適応障害

不正解です。

適応障害とは、ストレスによって日常生活に不適応を起こす障害です。

本事例では、仕事の負担感について記載があるものの、ストレスというよりは、生活リズムの乱れによって睡眠に支障をきたしているため、概日リズム睡眠・覚醒障害の方が適切です。

選択肢3. 特発性過眠症

不正解です。

特発性過眠症とは、十分な睡眠時間をとっているにもかかわらず、日中に強い眠気が生じる睡眠障害です。本事例では、就寝時間が遅れるなど、十分な睡眠時間を取っているとはいえません。

選択肢4. パラソムニア

不正解です。

パラソムニアとは、睡眠中に夢遊病や夜驚症などの異常な行動がみられる睡眠障害です。本事例ではそのような行動についての記載はありません。

選択肢5. 概日リズム睡眠・覚醒障害

冒頭の解説のとおり、正解です。

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02

この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。

睡眠に関する問題が生じる臨床所見について問われています。

では、問題を見てみましょう。

選択肢1. うつ病

間違いです。

確かに睡眠サイクルの乱れ、不眠や過眠、疲労感が生じますが、抑うつ症状や興味・関心の低下などの症状が同時に出現します。

選択肢2. 適応障害

間違いです。

診断上、睡眠障害は必須ではありません。

選択肢3. 特発性過眠症

間違いです。

DSM-5では過眠症として扱われています。過度の眠気は確かに生じますが、不眠症状は診断基準に該当しません。

選択肢4. パラソムニア

間違いです。

睡眠中に生じる理解しづらい行動や、夢と現実の見極めがつかなくなり、夢の内容のまま行動してしまう病態です。

選択肢5. 概日リズム睡眠・覚醒障害

正解です。

不眠と過眠の両方の症状が出現すること(片方だけのこともありますが)、が特徴です。

まとめ

睡眠障害は不眠と過眠の両方があります。他の症状と合わせて様々な病態を生じるため、丁寧に病態を整理しておきましょう。

参考になった数1

03

就寝時間の後退・入眠困難・起床困難・日中過眠・週末の過眠を呈する35歳男性の病態を問う事例問題です。

睡眠障害の各疾患の鑑別能力が求められています。

(分野:精神疾患とその治療)

正解は「概日リズム睡眠・覚醒障害」です。

選択肢1. うつ病

抑うつ気分・興味喪失・無価値感・希死念慮等を中核症状とします。

睡眠障害・疲労感・集中困難はうつ病でも見られますが、本事例には抑うつ気分の記述がなく、症状は睡眠・覚醒リズムの問題に限定されており該当しません。

選択肢2. 適応障害

特定のストレス因に対する情動・行動症状の反応として定義されます。

納期プレッシャーというストレス因はありますが、本事例の症状は概日リズムの乱れによる睡眠・覚醒障害が主体であり、適応障害の診断基準とは合致しません。

選択肢3. 特発性過眠症

十分な夜間睡眠にもかかわらず日中に過度の眠気が持続する疾患で、原因が不明な点が特徴です。

本事例では深夜まで仕事をするという明確な生活習慣上の原因があり、概日リズムの後退が睡眠問題の主因であるため特発性(原因不明)とは異なります。

選択肢4. パラソムニア

睡眠中の異常行動・体験(夢遊病・夜驚症・悪夢障害・RBD等)を指す概念です。

本事例には睡眠中の異常行動・体験の記述がなく、問題は睡眠・覚醒リズムのずれであるため該当しません。

選択肢5. 概日リズム睡眠・覚醒障害

体内時計(概日リズム)と社会的に要求される睡眠・覚醒スケジュールのずれにより生じる睡眠障害です。

本事例では深夜まで仕事をする生活習慣により睡眠相が後退し「寝ようとしても眠れない(入眠困難)」「始業時間に間に合う起床が困難」「週末は昼過ぎまで寝てしまう(補償的過眠)」という睡眠相後退型の典型的な症状が示されています。

社会的スケジュール(始業時間)との不一致による機能障害が明確に生じている点もDSM-5の診断基準に合致します。

まとめ

本問のポイントは「就寝時間の後退→入眠困難→起床困難→日中過眠→週末の補償的過眠」という睡眠相後退の一連のパターンを識別することです。

概日リズム睡眠・覚醒障害の下位型(睡眠相後退型・睡眠相前進型・不規則型・非24時間型・交代勤務型・時差型)のうち本事例は睡眠相後退型に該当すると考えられます。

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