公認心理師 過去問
第9回(2026年)
問72 (事例分析 問14)
問題文
6歳の男児A、小学1年生。入学時から授業中に離席したり、周囲の児童に大きな声で話しかけたりすることが目立ち、授業の進行を妨げる状態が続いている。担任教師Bは、その都度注意をしていたが、Aは、にやりとするだけで改善が認められなかったため、スクールカウンセラーCに相談した。Cによる観察では、Aは注意の持続が難しく、授業中、突然離席することが多い一方で、座って課題に取り組む時間も確認された。また、Aは自分の関心がある活動には集中できるが、こだわりが強く、一部のおもちゃ以外、興味を持てないものにほとんど反応しない傾向も認められた。
CがBに提案する、Aへの支援法として、最も適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第9回(2026年) 問72(事例分析 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
6歳の男児A、小学1年生。入学時から授業中に離席したり、周囲の児童に大きな声で話しかけたりすることが目立ち、授業の進行を妨げる状態が続いている。担任教師Bは、その都度注意をしていたが、Aは、にやりとするだけで改善が認められなかったため、スクールカウンセラーCに相談した。Cによる観察では、Aは注意の持続が難しく、授業中、突然離席することが多い一方で、座って課題に取り組む時間も確認された。また、Aは自分の関心がある活動には集中できるが、こだわりが強く、一部のおもちゃ以外、興味を持てないものにほとんど反応しない傾向も認められた。
CがBに提案する、Aへの支援法として、最も適切なものを1つ選べ。
-
Aが離席した際には、集団のルールをAと確認する。
-
Aが集中できなかった課題の内容を記録し、保護者に伝達する。
-
Aの離席行動について記録を取り、授業後にAと一緒に行動を振り返る。
-
Aが座って課題に取り組めているとき、その場で「いいね」と声かけを行う。
-
Aと授業中は離席しないよう約束し、離席しなかった日は下校時にスタンプを与える。
この過去問の解説 (3件)
01
本事例でAは、
●授業中に離席する
●周囲の児童に大きな声で話しかけたりする
と、注意の持続の困難さがみられますが、
●教師Bが注意をしても、改善が認められなかった
と、指導を行っても改善にはつながっていないことがうかがえます。
また、
●座って課題に取り組む時間も確認された
●自分の関心がある活動には集中できる
と、場合によっては適切な行動が可能であることがわかります。
このことより、Aが適切な行動をした際に、その行動を評価し強化することで、望ましい行動を増やしていく支援が最も適切であると考えられます。
そのため、「Aが座って課題に取り組めているとき、その場で『いいね』と声かけを行う。」が最も適切であるといえます。
「不適切な行動を減らす」ではなく「望ましい行動を増やす」という考え方は、教育現場での行動支援によく用いられる応用行動分析(ABA)の基本原則です。
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02
離席・衝動的発言・注意持続困難に加えてこだわりの強さを示す6歳男児への具体的な支援法を問う事例問題です。
応用行動分析の原則に基づいた行動支援の理解が求められています。
(分野:教育に関する心理学)
正解は「Aが座って課題に取り組めているとき、その場で「いいね」と声かけを行う」です。
離席という問題行動の直後に教師が関わることは、注目獲得機能の強化子となるリスクがあります。
また口頭でのルール確認はASD特性のある児童には抽象的で理解が難しく、行動変容への効果は限定的です。
情報共有として有用な場合もありますが、本問は「Aへの支援法」を問うており、記録・伝達という間接的な対応は直接的な行動支援の提案としては不十分です。
行動の振り返りは問題行動から時間が経過した後の対応であり、即時フィードバックの原則から外れます。
また6歳児・ASD特性のある児童に事後の言語的振り返りで行動変容を促すことは発達的にも困難です。
応用行動分析の正の強化の原則では、望ましい行動が生じた直後に強化子を与えることで行動が増加します。
本事例ではCの観察により「座って課題に取り組む時間も確認された」とあり、この望ましい行動に対して即時に肯定的フィードバックを与えることが最も優先すべき支援です。
スタンプという強化子の活用は応用行動分析の視点から適切ですが、「1日単位」という長い遅延強化は行動と強化子の結びつきが弱く効果が限定的です。
即時強化(望ましい行動の直後)の原則と比較して支援の精度が低くなります。
本問のポイントは「問題行動への対応より望ましい行動の強化を優先する」という応用行動分析の基本原則の理解です。
即時性(行動直後)・随伴性(望ましい行動に対して)・正の強化(好子の付与)という3原則をセットで理解しておくことが重要です。
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03
この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。
Aの支援方法の根拠となる理論を問われています。
では、問題を見てみましょう。
間違いです。
できなかったことを指摘しても、意固地になるだけです。
間違いです。
できなかったことを保護者に通知したとしても、保護者がアフターフォローを積極的に行わなければならないほどの状態の悪さではありません。
間違いです。
行動した直後であればAも覚えているとは思いますが、行動を振り返ることでの学習効果が薄い認知機能です。
正解です。
快刺激を行うために、本人の状態に対し即時ポジティブなフィードバックが有効と考えます。
間違いです
Aは行ってはいけない動作は、なんとなく理解はできています。ただ課題解決に報酬制を導入するのは、本人の状態から報酬の効果の理解が難しいと考えます。
AはADHD、ASDあたりの障害があると考えてよいと思います。
それを踏まえると、良いところを伸ばすこと、本人が理解しやすい方法で良いと認めることが有効と理解できます。
様々な病態を理解しておき、臨床像とうまく照らし合わせられるようになりましょう。
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