公認心理師 過去問
第9回(2026年)
問74 (事例分析 問16)

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問題

公認心理師試験 第9回(2026年) 問74(事例分析 問16) (訂正依頼・報告はこちら)

30歳の女性A、会社員。ジムで知り合った男性Bと2年間交際していた。しかし、半年前、妻と子どもを大切にしたいという理由で、Bから一方的に別れを告げられた。Bが既婚者であることを知らされていなかったAは激怒し、その直後から、SNSにBの誹謗中傷を執ように投稿するようになった。さらに、Bの自宅を突き止め、火を放とうとしたところを発見され、放火未遂の容疑で逮捕・起訴された。取り調べに対しAは、「私をだましたBを許せず、Bの幸せを壊してやりたかった」と語った。Aは以前にも恋愛問題でトラブルを起こしたことがある。
Aの情状鑑定を依頼された公認心理師がテストバッテリーに含めるべき心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
  • TEG
  • CAPS
  • P−Fスタディ
  • Vineland−Ⅱ
  • ベンダー・ゲシュタルト検査

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この過去問の解説 (3件)

01

本事例でAは、

●男性Bが既婚者であることを知らされていなかったため激怒

●SNSにBの誹謗中傷を執ように投稿

●男性Bの自宅を突き止め、火を放とうとした

●以前にも恋愛問題でトラブルを起こした

など、欲求不満場面での攻撃性が高いことがうかがわれます。

そのため、選択肢の中では、欲求不満場面での反応を評価するP-Fスタディが、テストバッテリーに含めるべき心理検査として最も適切です。

 

選択肢1. TEG

TEG(東大式エゴグラム)とは交流分析理論に基づき、性格傾向を把握する心理検査です。

選択肢2. CAPS

CAPS(PTSD臨床診断面接尺度)とは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)診断と症状の評価のための構造化面接の検査です。

選択肢4. Vineland−Ⅱ

Vineland−Ⅱとは、日常生活における適応行動について評価する検査です。主に知的発達症や発達症の支援のために用いられます。

選択肢5. ベンダー・ゲシュタルト検査

ベンダー・ゲシュタルト検査とは、視覚と運動の協応能力や認知機能の評価を行う心理検査です。主に脳機能障害や認知症の認知機能の評価に使用されます。

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02

放火未遂で起訴された30歳女性の情状鑑定において、テストバッテリーに含めるべき心理検査を選ぶ問題です。

情状鑑定の目的と各心理検査の測定対象の正確な理解が求められています。

(分野:司法・犯罪に関する心理学)

正解は「P-Fスタディ」です。

選択肢1. TEG

交流分析に基づく自我状態(CP・NP・A・FC・AC)のバランスを測定する自己記入式質問紙です。

パーソナリティの傾向把握には有用ですが、攻撃性・欲求不満反応という本事例の中核問題を直接評価する検査としては特異性が低くなります。

選択肢2. CAPS

PTSDの症状重症度を評価する構造化面接です。

本事例にはトラウマ体験・PTSD症状の記述がなく、情状鑑定の主目的である攻撃性・パーソナリティ評価には対応していません。

選択肢3. P−Fスタディ

半投影法の心理検査で、欲求不満場面における攻撃性の方向(他責・自責・無責)と型(障害優位・自我防衛・欲求固執)を測定します。

本事例ではBへの強い怒り・誹謗中傷・放火未遂という欲求不満に対する攻撃的反応が中核問題であり、攻撃性の方向・強度・パターンを評価するP-Fスタディが情状鑑定のテストバッテリーとして最も適切です。

選択肢4. Vineland−Ⅱ

コミュニケーション・日常生活・社会性・運動という適応行動領域を評価する尺度で、主に知的障害・発達障害のアセスメントに用いられます。

本事例では知的障害・発達障害を示す記述はなく、情状鑑定の主目的とは合致しません。

選択肢5. ベンダー・ゲシュタルト検査

幾何学図形の模写を通じて視覚・運動機能・脳器質障害のスクリーニングを行う検査です。

本事例には神経学的問題の記述がなく、攻撃性・パーソナリティ評価という情状鑑定の主目的には対応していません。

まとめ

情状鑑定では犯行に至った心理的背景・パーソナリティ特性・犯行時の精神状態の把握が目的であり、本事例のように攻撃性・欲求不満反応が問題の核心である場合にP-Fスタディが有用です。

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03

この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。

情状鑑定に必要な要素を読み取り、適切なテストバッテリーを選択することが必要です。

では、問題を見てみましょう。

選択肢1. TEG

間違いです。

どのような性格の傾向があるか知ることは無意味ではありませんが、不十分です。

選択肢2. CAPS

間違いです。

Bに振られたことがPTSDにあたるほどの驚異的なストレスとはみなされません。

選択肢3. P−Fスタディ

正解です。

欲求不満な状態になったときに、どのような反応を示すのかを知ることは、今回の一番の問題を明らかにできます。

選択肢4. Vineland−Ⅱ

間違いです。

日常生活全般の適応行動について知る検査ですので、内容が不十分です。

選択肢5. ベンダー・ゲシュタルト検査

間違いです。

認知機能評価や視覚と運動を関連させた能力の評価を行いますので、見当違いです。

 

まとめ

状態像として強いストレスを感じたときの対処方法の歪みがあり、社会的に了承できない不適切な反応の度合いを調べることが求められます。テストバッテリーの内容はもちろんですが、何を知りたいかを整理できる能力も身につけましょう。

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