公認心理師 過去問
第9回(2026年)
問139 (事例検討 問3)

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問題

公認心理師試験 第9回(2026年) 問139(事例検討 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

25歳の女性A、金融会社勤務。特定の数字を見ると強い不安を感じ、仕事に支障を来すようになったため、会社の健康管理室を訪れた。Aによると、半年前に転職したが、会社の書類に「4」や「9」など不吉と思う数字を目にすると、「ノルマを達成できないのではないか」という考えが頭から離れず、業務に集中できなくなった。A自身は「こんな考えは馬鹿げている」と理解しているが、深呼吸を7回して気持ちを落ち着かせようとすることが欠かせない。最近では、通勤電車の広告に不吉な数字を見つけるたびに、次の駅で電車を降りることを繰り返し、会社に1時間以上遅刻してしまうこともあるという。
Aの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
  • うつ病
  • 強迫症
  • 社交不安症
  • 全般不安症
  • 限局性恐怖症

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この過去問の解説 (3件)

01

正しい選択肢は、「強迫症」です。

 

Aは、「4」や「9」などの数字を見ると、不吉なことが起こるのではないかという考えが頭から離れなくなっています。
また、その不安を落ち着かせるために、深呼吸を7回する電車を降りるといった行動をくり返しています。

選択肢1. うつ病

うつ病では、気分の落ち込み、興味や喜びの低下、疲れやすさ、眠れない、食欲がないなどの症状が中心になります。
Aには不安や生活への支障がありますが、問題文の中心は、気分の落ち込みではありません。

選択肢2. 強迫症

正解です。

強迫症では、本人が望んでいないのに、ある考えやイメージが頭に浮かび続けます。これを強迫観念といいます。
Aの場合、「不吉な数字を見ると、ノルマを達成できないのではないか」という考えが頭から離れないことが、強迫観念に当たります。

また、その不安を減らすために、同じ行動をくり返すことがあります。これを強迫行為といいます。
Aの場合、深呼吸を7回する、電車を降りるという行動が強迫行為に当たります。

さらに、本人が「こんな考えは馬鹿げている」と分かっているのにやめられない点も、強迫症の特徴に合っています。

選択肢3. 社交不安症

社交不安症は、人前で話す、注目される、他人から評価されるといった場面で強い不安を感じる状態です。
たとえば、「人前で失敗したらどうしよう」「変に思われたらどうしよう」と強く不安になります。
Aは仕事上の不安を訴えていますが、中心は他人から見られる不安ではなく、不吉な数字へのこだわりです。

選択肢4. 全般不安症

全般不安症は、仕事、健康、家族、お金など、いろいろなことについて長く強い不安が続く状態です。
不安の対象が広く、心配が止まりにくいことが特徴です。

選択肢5. 限局性恐怖症

限局性恐怖症は、特定の対象や状況に対して強い恐怖を感じる状態です。
たとえば、高い場所、注射、動物、飛行機などに強い恐怖を感じる場合です。
Aも特定の数字に強い不安を感じていますが、不安を打ち消すために深呼吸を7回するなど、決まった行動をくり返す点が重要です。
この特徴から、限局性恐怖症よりも強迫症が合っています。

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02

特定の数字への強い不安と儀式的行動(深呼吸、乗車行動の繰り返し)を示す女性の病態理解についての臨床事例問題です。
(分野:精神疾患とその治療)
正答は「強迫症」です。

選択肢1. うつ病

抑うつ気分・興味喪失・睡眠障害・無気力などを中核症状とする気分障害です。本事例には抑うつ症状の記述がなく、症状の主体は反復的な不安思考と儀式的行動であるため該当しません。

選択肢2. 強迫症

強迫症はDSM-5において強迫観念と強迫行為の存在を中核とします。本事例では「ノルマを達成できないのではないかという考えが頭から離れない」が強迫観念。「深呼吸を7回する」「次の駅で電車を降りる」が強迫行為に該当します。さらに「こんな考えは馬鹿げている」という自我異質性(自分の症状をおかしいと認識できる)が明示されており、これは強迫症の重要な臨床特徴です。仕事・通勤への機能障害も生じており、診断基準を満たしています。

選択肢3. 社交不安症

他者から否定的に評価されることへの恐怖を中核とし、人前での発言・会食・パフォーマンス場面で強い不安・回避が生じます。本事例の不安は「数字」という特定の刺激に対するものであり、対人評価への恐怖は示されていないため該当しません。

選択肢4. 全般不安症

仕事・健康・日常の様々なテーマについて過剰で制御困難な心配が持続する疾患です。本事例の不安は数字という特定刺激に限定されており、多領域にわたる慢性的な心配という全般不安症の特徴とは異なります。また反復的な儀式行為は全般不安症の症状ではありません。

選択肢5. 限局性恐怖症

特定の対象(血液・動物・高所等)に対する著明な恐怖と回避を特徴とします。数字への恐怖という点で一見類似しますが、限局性恐怖症には強迫観念・強迫行為(儀式)・自我異質性という構造はありません。

恐怖刺激への単純回避と、強迫症の観念→儀式→一時的安堵というサイクルは明確に異なります。

まとめ

本問の鑑別ポイントは「強迫観念(侵入思考)+強迫行為(儀式)+自我異質性」の3点セットの確認です。限局性恐怖症との混同が最も起きやすく、「特定刺激への回避=恐怖症」と短絡しないことが重要です。強迫症では不安を打ち消すための儀式行為が存在し、それ自体が機能障害を拡大させるという悪循環の構造を理解しておくと、類似事例問題にも対応できます。

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03

強迫症症状に関する事例問題です。

この症例では”「頭では分かっているのに」不安になり、「電車を降りる」という儀式行為をしないと落ち着かず、結果として生活に支障が出ている”ことがミソになります。

選択肢1. うつ病

抑うつ気分や意欲低下をはじめとする、うつ病の病態像とは異なります。

選択肢2. 強迫症

①「4」や「9」など特定の数字で強い不安になる。

②「ノルマを達成できないのではないか」という考えが頭から離れない。(侵入思考

③「こんな考えは馬鹿げている」と理解している。(自覚

④深呼吸を7回して気持ちを落ち着かせようとすることが欠かせない。(儀式行為

⑤不吉な数字を見つけると電車を降りて遅刻(回避行動、生活上の支障

これらはすべて強迫症の主症状に当てはまります。

選択肢3. 社交不安症

対人場面における恐怖ではありませんので非該当です。

選択肢4. 全般不安症

広範な心配というよりも「4」や「9」などの特定の数字(トリガー)が明確であり、全般不安症の説明とは外れます。

選択肢5. 限局性恐怖症

これはやや引っ掛かりやすい選択肢です。

たしかに「4」や「9」などの特定の数字がトリガーではありますが、ここでいう限局性恐怖症は虫や高い所など身体の安全に対する恐怖などが代表的であり、その対象を見たり聞いたりすると強い不安を感じます。

しかし、強迫症のように”頭では不合理だとわかっていても「回避行動」や「儀式行為」を繰り返してしまう”行為は伴いません。

まとめ

精神疾患の主症状から病態を把握する問題でした。

各疾患ならではの特徴をしっかりと抑え、鑑別ができるようにしておきましょう。

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