公認心理師 過去問
第9回(2026年)
問143 (事例検討 問7)

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問題

公認心理師試験 第9回(2026年) 問143(事例検討 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

20歳の男性A、大学生。日中の強い眠気を訴えて大学の保健センターを訪れた。Aによると、1年ほど前から日中の強い眠気に悩まされており、講義や食事の最中に突然眠ってしまうことが多い。夜間は8時間ほど睡眠をとっているにもかかわらず、大学の友人からは「夜寝ていないのでは」と言われたことがある。また、入眠時に夢のような映像が見えることや、目覚めた直後に身体が動かないことがある。最近、友人とふざけて笑ったときに身体の力が抜けてしゃがみ込み、意識はあるが身体が動かない状態になった。眠気のために勉強することが難しく、試験の成績も低下しているという。
Aの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
  • てんかん
  • 睡眠時遊行症
  • 反復性過眠症
  • ナルコレプシー
  • レム睡眠行動障害

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この過去問の解説 (3件)

01

正しい選択肢は、「ナルコレプシー」です。

 

Aは、夜に十分寝ているにもかかわらず、日中に強い眠気があり、講義中や食事中に突然眠ってしまっています。
また、入眠時に夢のような映像が見える目覚めた直後に身体が動かない笑ったときに身体の力が抜けるという症状もあります。

選択肢1. てんかん

てんかんは、脳の神経細胞が急に強く興奮することで、発作が起こる病気です。
けいれん、意識がぼんやりする、体の一部が勝手に動くなどがみられることがあります。

Aは突然眠ってしまうことがありますが、問題文では、けいれん発作や意識消失よりも、強い眠気入眠時の幻覚睡眠麻痺情動脱力発作が目立っています。

選択肢2. 睡眠時遊行症

睡眠時遊行症は、いわゆる夢遊病のことです。
眠っている間に起き上がって歩いたり、行動したりしますが、本人はあとで覚えていないことが多いです。

Aには、睡眠中に歩き回る症状は示されていません。

選択肢3. 反復性過眠症

反復性過眠症は、強い眠気が一定期間くり返し起こる病気です。
数日から数週間にわたって長時間眠り続けるような時期があり、その後は比較的ふつうに戻ることがあります。

Aは、1年ほど前から日中の強い眠気が続いており、さらに入眠時の幻覚、睡眠麻痺、情動脱力発作がみられます。

選択肢4. ナルコレプシー

正解です。

ナルコレプシーは、日中に強い眠気が起こり、突然眠ってしまうことがある睡眠障害です。
夜に十分寝ていても、日中の眠気が強く出ることがあります。

Aには、ナルコレプシーでよくみられる症状がそろっています。

日中の強い眠気として、講義や食事の最中に突然眠ってしまっています。
入眠時幻覚として、眠りに入るときに夢のような映像が見えています。
睡眠麻痺として、目覚めた直後に身体が動かないことがあります。
情動脱力発作として、笑ったときに身体の力が抜けてしゃがみ込んでいます。

特に、笑ったり驚いたりしたときに力が抜ける情動脱力発作は、ナルコレプシーを考える大きな手がかりです。

選択肢5. レム睡眠行動障害

レム睡眠行動障害は、夢の内容に合わせて、眠っている間に大きな声を出したり、手足を動かしたりする病気です。
通常、レム睡眠中は体の力が抜けていますが、その仕組みがうまく働かず、夢の中の行動が実際の動きとして出てしまいます。

Aには、眠っている間に夢の内容どおりに動く症状は示されていません。

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02

日中の突然の睡眠発作と情動脱力を特徴とする男性学生の睡眠障害についての臨床事例問題です。
(分野:精神疾患とその治療)
正答は「ナルコレプシー」です。

選択肢1. てんかん

大脳の過剰放電による発作性疾患で、意識消失・痙攣・自動症等を呈します。突然の意識消失という点で混同されやすいですが、てんかんでは情動(笑い)が引き金となる力の脱力発作・入眠時幻覚・睡眠麻痺という一連のパターンは示されません。

選択肢2. 睡眠時遊行症

ノンレム睡眠から不完全覚醒した状態で歩行・行動する睡眠障害です。本事例には夜間の行動・歩行の記述はなく、また意識があるまま身体が動かないという症状は睡眠時遊行症とは逆の状態であるため該当しません。

選択肢3. 反復性過眠症

数日〜数週間、起きていられないほどの強い眠気が続く時期が、数か月おきに繰り返される希少疾患です。その時期が終わると普通の生活に戻れるという波のある経過が特徴であり、1年間ほぼ毎日症状が続いている本事例とは異なります。

選択肢4. ナルコレプシー

ナルコレプシーは、覚醒を維持する脳内物質であるオレキシン(ヒポクレチン)が正常に働かなくなることで、睡眠と覚醒の切り替えがうまくできなくなる睡眠障害です。古典的な4つの徴候として①日中の睡眠発作②情動脱力発作(カタプレキシー)③入眠時幻覚④睡眠麻痺が挙げられます。

選択肢5. レム睡眠行動障害

レム睡眠中に夢の内容を実際に行動化してしまう障害で、中高年男性に多い疾患です。

まとめ

本問はナルコレプシーの4徴候を事例文から一対一で照合できるかが正答の鍵です。特に「情動(笑い・驚き・怒り)が引き金となる脱力発作(カタプレキシー)」はナルコレプシーに極めて特異的な症状であり、これを見つけた時点でほぼ確定できます。

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03

ナルコレプシー症例に関する問題です。

選択肢1. てんかん

「突然眠ってしまう」、「突然体の力が抜ける」様子は、たしかにてんかんを疑いたくなりますが、ここでは、それ以外の初見が多く見られているので即決できません。

選択肢2. 睡眠時遊行症

睡眠時遊行症とは、「夢遊病」と呼ばれる寝歩きの症状を指します。日中の眠気に直接影響するものとして、現時点では特定できないので非該当です。

選択肢3. 反復性過眠症

こちらは過眠に関する症状です。

日中も強い眠気に悩まされていることは事実ですが、カタプレキシーは見られませんので非該当です。

選択肢4. ナルコレプシー

➀日中を通した眠気、②十分な睡眠、③入眠時の「夢のような映像」、④目覚めた直後に体が動かない、⑤笑った時に体の力が抜けてしゃがみこみ(カタプレキシー)が根拠として挙がり、正解です。

選択肢5. レム睡眠行動障害

レム睡眠時に見ている「夢」により、動かないはずの睡眠中の体を動かして行動化する症状が挙げられます。悪夢を見てうなされる、暴言や暴力などを認め、本症例とは合いませんんで非該当です。

(補足)

レム睡眠行動障害は、高齢者においてはレビー小体型認知症やパーキンソン病の前兆として出現することもあるため、医療機関においては特に注意が必要です。

 

まとめ

てんかん発作のような症状が見え隠れしますが、カタプレキシーが特徴的な所見なので差別化して覚えましょう。

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