公認心理師 過去問
第9回(2026年)
問146 (事例検討 問10)
問題文
78歳の男性A、1年前に妻を亡くし自宅で一人暮らし。半年ぶりに訪問した長男Bから、地域包括支援センターに対し、買い物支援に関する相談があった。BによるとAは、信号を渡り切れないことが不安で、買い物に行くのが不自由になったと嘆いている。姿勢も良く、腰痛やふらつきもないが、歩くスピードが近頃遅くなっている。握力も弱くなり、ペットボトルのキャップを開けるのに苦労している。一方で、自宅では、オンラインの囲碁大会に積極的に参加したり、趣味の盆栽を楽しんだりしている。食欲もあり、体重も変わっていないが、Bに「足が少し細くなった」と話すという。
Aの状態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第9回(2026年) 問146(事例検討 問10) (訂正依頼・報告はこちら)
78歳の男性A、1年前に妻を亡くし自宅で一人暮らし。半年ぶりに訪問した長男Bから、地域包括支援センターに対し、買い物支援に関する相談があった。BによるとAは、信号を渡り切れないことが不安で、買い物に行くのが不自由になったと嘆いている。姿勢も良く、腰痛やふらつきもないが、歩くスピードが近頃遅くなっている。握力も弱くなり、ペットボトルのキャップを開けるのに苦労している。一方で、自宅では、オンラインの囲碁大会に積極的に参加したり、趣味の盆栽を楽しんだりしている。食欲もあり、体重も変わっていないが、Bに「足が少し細くなった」と話すという。
Aの状態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
-
アパシー
-
フレイル
-
廃用症候群
-
サルコペニア
-
パーキンソン病
この過去問の解説 (3件)
01
正しい選択肢は、「サルコペニア」です。
Aは、姿勢が良く、腰痛やふらつきもなく、趣味やオンライン囲碁にも積極的です。食欲や体重にも変化はありません。
一方で、歩くスピードが遅くなっている、握力が弱くなっている、足が少し細くなったという変化があります。
アパシーは、意欲や関心が低下した状態です。
何かを始める気力が出ない、趣味に関心がなくなる、人との関わりを避けるといった様子がみられます。
Aはオンラインの囲碁大会に積極的に参加し、盆栽も楽しんでいます。意欲や関心が大きく低下しているとはいえないため、アパシーは適切ではありません。
フレイルは、加齢によって心身の力が弱くなり、要介護状態に近づきやすくなる状態です。
フレイルの評価では、体重減少、疲れやすさ、歩行速度の低下、握力低下、身体活動量の低下などが重視されます。
Aには歩行速度の低下や握力低下がありますが、食欲や体重は保たれており、趣味活動も続けています。問題文では、全体的な虚弱というより、筋力や筋肉量の低下が目立っています。
廃用症候群は、長期間の安静や活動量の低下によって、筋力や体力、心身の機能が低下する状態です。
たとえば、病気で寝たきりになった後や、長く体を動かさない生活が続いた後に起こりやすいです。
Aは買い物には不自由を感じていますが、自宅では趣味を続けており、寝たきりや長期間の不活動が中心とは示されていません。
正解です。
サルコペニアは、加齢などによって筋肉量が減り、筋力や身体機能が低下する状態です。
Aは、歩くスピードが遅くなり、握力も弱くなっています。さらに、「足が少し細くなった」と話しており、筋肉量の低下が疑われます。
信号を渡り切れないことへの不安も、歩行速度の低下と関係していると考えられます。
このように、Aの状態は、活動意欲の低下や認知面の問題というより、筋肉の減少と筋力低下を中心に理解するのが適切です。
パーキンソン病では、手足のふるえ、筋肉のこわばり、動作が遅くなる、歩幅が小さくなる、転びやすくなるなどの症状がみられます。
Aは歩くスピードが遅くなっていますが、ふるえ、こわばり、姿勢の悪化、ふらつきなどは示されていません。
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02
筋肉量低下を主訴とした事例問題です。
問題文の「足が細くなった」という記載から筋肉量低下を特定させ、それと同時にQOLが保たれていることから症例を見つめてみましょう。
意欲低下や無気力、無関心は症状として見られておらず、オンラインの囲碁大会に積極的に参加したり、趣味の盆栽を楽しんだりとむしろ意欲は保たれています。
加齢に伴う心身の脆弱化を意味し、健康な状態と要介護状態の中間にあたる状態と言われています。
診断基準(5項目)のうち、3つを満たすことが条件となります。
・体重減少
・疲労感
・活動量低下
・握力低下
・歩行速度低下
当時例では、体重減少、活動量低下、疲労感が除外されるため非該当です。
長期画商や活動低下に伴う身体機能低下の状態を指します。
Aさんは自宅での活動があり、食欲もあり、体重も変わっていません。また、外出が難しくなっている理由は、活動低下による機能低下ではなく、筋肉低下が原因として濃厚となるため非該当です。
加齢や生活習慣などにより筋肉量と筋力が低下し、身体機能が衰える状態を指します。
フレイルとの区別が必要であり、当症例では、
・足が細くなった
・握力が弱くなった
・歩くスピードが近頃遅くなった
と兆候がそろっており、「サルコペニア」がもっとも疑われます。
また、転倒や要介護状態のリスクが高まりまるため注意が必要です。
手足の震え、動作の遅れ、姿勢保持の障害、小刻み歩行が代表兆候です。
本事例ではこのような症状は見られておりませんので非該当です。
当時例は、高齢者の健康評価を問う課題でした。
当事者の状態を把握していくうえで、サルコペニアとフレイルの混同を誘う側面があり、症状の特徴を上位3項目ずつ抑えておくことが得点のカギとなります。
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03
歩行速度低下、握力減弱、筋肉量減少を示しながら、認知機能と活動の質は保持されている78歳男性の健康状態についての老年医学事例問題です。
(分野:発達)
正答は「サルコペニア」です。
意欲・自発性・感情の低下を特徴とする状態で、認知症や脳血管障害に伴って生じることが多いです。
加齢による身体・精神・社会的な脆弱性が重なった状態で、体重減少・疲労感・活動量低下・歩行速度低下・握力低下の5項目で評価します。サルコペニアと重複する概念ですが、本事例では体重変化なし・食欲あり・意欲も保たれており、フレイルの多面的な脆弱性の基準は満たさないため不適切です。
長期臥床や活動量の著しい低下により筋力・心肺機能・骨密度等が全般的に低下する状態です。
サルコペニアは加齢に伴う骨格筋量の減少と筋力・身体機能の低下を特徴とする症候群で、①筋力低下(握力低下)②身体機能低下(歩行速度低下)③筋肉量減少の3要素で定義されます。本事例では上記の3要素が全て揃っており、診断基準に合致します。
ドーパミン産生ニューロンの変性による振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害を4大症状とする神経変性疾患です。
本問のポイントは「握力低下・歩行速度低下・下肢の筋肉量減少」の3点セットをサルコペニアの定義と照合することです。フレイルとの混同が最も起きやすく、「体重減少なし・食欲あり・意欲あり」という記述がフレイルを除外する根拠になります。
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