公認心理師 過去問
第9回(2026年)
問147 (事例検討 問11)

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問題

公認心理師試験 第9回(2026年) 問147(事例検討 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

13歳の男子A、中学1年生。5歳から入所していた児童養護施設において、年少児の身体に複数回不適切に触れるという行動を起こし、児童自立支援施設に措置変更された。Aは施設内で年少児の世話を好んだが、次第に過度な接触を図ろうとしたため、施設心理職Bが面談を行った。Aは、「人の役に立ちたいし、同年代とも仲良くなりたいが、誰も分かってくれない」と語った。Bは質問を重ねて、同年代と良好な関係を持ちたいというAの希望を基に、健全な交流方法を一緒に考えて、ロールプレイで練習した。また、世話好きという強みを活かせるボランティア活動を提案し、共に参加した。
Bの支援の理論的枠組みとして、最も適切なものを1つ選べ。
  • ゼロトレランス
  • コーシャス・シフト
  • ハームリダクション
  • グッド・ライブス・モデル
  • リアリティ・オリエンテーション

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この過去問の解説 (3件)

01

児童への不適切な身体接触を示す被虐待児童への心理支援の理論的枠組みについての児童心理福祉事例問題です。
(分野:福祉に関する心理学)
正答は「グッド・ライブス・モデル」です。

選択肢1. ゼロトレランス

問題行動に対して例外なく厳格なルールと罰則を適用する管理的アプローチです。本事例のBはAの希望や強みに着目した支援を行っており、罰則・管理を中心とするゼロトレランスとは方向性が正反対であり、不適切です。

選択肢2. コーシャス・シフト

集団意思決定において、議論の結果が個人の判断より慎重・保守的な方向に偏る集団心理現象を指します。個人への心理支援とは無関係な概念であり不適切です。

選択肢3. ハームリダクション

薬物使用など問題行動の即時停止を求めるのではなく、行動に伴う害を段階的に減らすことを目標とするアプローチです。本人の現実的な行動変容を重視する点でグッド・ライブス・モデルと一部重複しますが、「強みと希望を活かした良い人生の実現」という視点はグッド・ライブス・モデルに固有のものであるため、不適切です。

選択肢4. グッド・ライブス・モデル

グッド・ライブス・モデルは性非行者への支援理論で、問題行動のリスク管理だけでなく「本人が望む良い人生の実現」を支援の中心に置くポジティブアプローチです。本事例ではBがAの「同年代と仲良くなりたい」という希望を出発点とし、「世話好き」という強みを活かしたボランティア活動を提案しており、グッド・ライブス・モデルの「ニーズと強みの両方に着目する」という核心と完全に合致します。

選択肢5. リアリティ・オリエンテーション

認知症高齢者に対して日付・場所・人物などの現実見当識を繰り返し提示することで認知機能の維持を図るケア技法です。少年の性非行支援とは対象・目的が異なるため不適切です。

まとめ

本問のキーワードは「本人の希望を基に」「強みを活かす」「健全な代替行動の獲得」の3点で、これらが揃えばグッド・ライブス・モデルと判断できます。グッド・ライブス・モデルはリスク管理中心の従来モデルへの批判から生まれた理論であり、「何をしてはいけないか」ではなく「どんな人生を送りたいか」を支援の軸とする点が本質です。

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02

最も適切なものは、「グッド・ライブス・モデル」です。

 

この事例では、Aの問題行動だけを見るのではなく、「人の役に立ちたい」「同年代と仲良くなりたい」という本人の希望や強みに注目しています。そのうえで、健全な人間関係の作り方を練習し、世話好きという強みを安全な形で活かせる活動につなげています。

選択肢1. ゼロトレランス

これは、不適切な行動に対して例外を認めず、厳しく対応する考え方です。
問題行動を見逃さない姿勢は大切ですが、この事例のBは、Aを厳しく罰することを中心にしていません。

選択肢2. コーシャス・シフト

これは、集団で話し合うと、個人で判断するときよりも慎重な方向に意見が動きやすいという考え方です。
この事例では、集団の意思決定や話し合いによる判断の変化が中心ではありません。

選択肢3. ハームリダクション

これは、問題行動や危険を完全になくすことがすぐには難しい場合に、まず被害や危険を減らすことを重視する考え方です。
たとえば、危険を小さくするための現実的な方法を考える支援です。今回の支援にも安全面への配慮はありますが、中心になっているのは、Aの希望や強みを生かして、よりよい生活につなげることです。

選択肢4. グッド・ライブス・モデル

正解です。

グッド・ライブス・モデルは、問題行動をした人に対して、ただ禁止や管理をするだけでなく、本人が大切にしたいことや得意なことを見つけ、健全な形で満たせるように支援する考え方です。
Aは「人の役に立ちたい」「同年代とも仲良くなりたい」と話しています。Bはその希望を大切にし、健全な交流方法を一緒に考え、ロールプレイで練習しています。また、世話好きという強みを安全なボランティア活動につなげています。

選択肢5. リアリティ・オリエンテーション

これは、認知症の人などに対して、今いる場所、日付、時間、人間関係などを確認し、現実の見当識を保つための支援です。
この事例では、Aが日時や場所を分からなくなっているわけではありません。

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03

児童養護施設内における処遇に関する事例問題です。

Aは、

・年少児への不適切接触

・「役に立ちたい」「同級生と仲良くなりたい」という思いが強い

という状況であり、それに対し、心理職Bが介入しています。

この支援の理論的枠組みは「グッド・ライブス・モデル」です。

選択肢1. ゼロトレランス

問題行動を許さず、厳罰的に対応する考え方です。

当時例では、Aの行動を評価し、本人の希望を基に、健全な交流方法を一緒に考えて、ロールプレイで練習しているため非該当です。

選択肢2. コーシャス・シフト

性的加害のリスクに関する支援モデルです。

主に認知面の変化を試みます。当時例に近い表現は含まれますが、心理職Bは本人の希望をもとに強みを活かし、ボランティア活動を通した社会参加を促しているため、コーシャス・シフトは最適ではありません。

選択肢3. ハームリダクション

被害を無くさずとも、被害を最小限に低減するよう試みる考え方です。

薬物依存症やアルコール関連疾患において実践されます。

当時例では、「被害の軽減」よりも「より強みを活かす」支援を目指しているため非該当です。

選択肢4. グッド・ライブス・モデル

問題行動を無くすのみならず、本人が望むより良い人生観を育めるよう支援するモデルです。

当時例では、Aの思いを重要視し、健全な人間関係の構築方法やストレングスの確立、ボランティア活動への参加という社会参加への橋渡しを行っているので理想的です。

選択肢5. リアリティ・オリエンテーション

主に、認知症高齢者への見当識確認を行う支援です。

当時例とは大きく外れ、非該当です。

まとめ

グッド・ライブス・モデルは、犯罪や非行の治療教育において重宝されており、再犯防止やストレングスの活かし方が、「当事者の人生設計において重要である」という側面を持っています。当時例では、Aの「人の役に立ちたい」「仲良くしたい」という思いを基盤にしており、課題の原点を明確にすることが重要です。

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