公認心理師 過去問
第9回(2026年)
問149 (事例検討 問13)

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問題

公認心理師試験 第9回(2026年) 問149(事例検討 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

10歳の女児A、小学4年生。軽度の難聴がある。Aの学習上の困難について、母親Bが教育センターに相談を申し込んだ。Bによると、Aは通常学級に在籍しているが、座席配置の調整や板書による支援などの合理的配慮を受け、小学3年生まで大きな問題はなかった。しかし、小学4年生になり、英語の授業が始まると、教師の話が聞き取れないことが増えた。さらに、国語の授業でも長文の読解が難しくなった。特に、複雑な文の構造や、抽象的な表現の理解に時間がかかり、苦労している。小学3年生のときに受けた、絵画語い発達検査の結果では、年齢相応であったという。
Aの学習を支援するために実施すべき心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
  • Conners3
  • KABC−Ⅱ
  • SCT
  • Vineland−Ⅱ
  • WMS−R

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この過去問の解説 (3件)

01

正しい選択肢は、「KABC−Ⅱ」です。

 

Aは軽度の難聴があり、英語の授業で聞き取りにくさが出ています。さらに、国語でも長文読解、複雑な文の構造、抽象的な表現の理解に苦労しています。
絵画語い発達検査では年齢相応だったため、単語の意味だけでなく、認知処理の特徴学習面の得意・不得意を広く確認する必要があります。

選択肢1. Conners3

Conners3は、主に注意欠如多動症、つまりADHDの特性を調べるための検査です。
不注意、多動性、衝動性などを確認する目的で使われます。

Aの困りごとは、英語の聞き取りや長文読解、複雑な文の理解です。

選択肢2. KABC−Ⅱ

正解です。

KABC−Ⅱは、子どもの認知処理の特徴学習の習得状況を調べる検査です。
どのように情報を理解し、覚え、考え、学習しているかを確認できます。

Aは、単語の理解は年齢相応でしたが、文章が長くなったり、文の構造が複雑になったりすると理解に時間がかかっています。
このような場合、語いだけでなく、聞いて理解する力順序立てて処理する力文章を理解する力学習の土台となる認知の特徴を調べることが大切です。

KABC−Ⅱは、Aの得意な処理と苦手な処理を把握し、授業でどのような支援が必要かを考えるために役立ちます。

選択肢3. SCT

SCTは文章完成法と呼ばれる検査で、未完成の文を完成させることで、その人の考え方や感情、人間関係の特徴などを理解するために使われます。
心理面の理解には役立つことがありますが、Aの学習上の困難を具体的に調べる検査としては適していません。

選択肢4. Vineland−Ⅱ

Vineland−Ⅱは、日常生活の適応行動を調べる検査です。
コミュニケーション、日常生活スキル、社会性など、生活の中でどのくらい自立して行動できているかを確認します。

Aは通常学級に在籍しており、問題文では日常生活全体の適応が大きく問題になっているわけではありません。
中心は、英語や国語の学習上の困難です。

選択肢5. WMS−R

WMS−Rは、記憶を詳しく調べる検査です。
主に成人を対象に、言語性記憶や視覚性記憶などを評価します。

Aには学習の困難がありますが、問題文では記憶障害が中心とは示されていません。
また、Aは10歳の小学生であり、学習支援を考える目的では、子どもの認知処理や学習状況を幅広く見られるKABC−Ⅱのほうが適切です。

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02

この問題のポイントは

10歳、小学4年生、軽度難聴、長文読解困難、文章構造や抽象的表現に理解困難です。

さらに、「絵画語い検査では年齢相応=語彙は保たれている」とのことで、「語彙はあるも、学習場面における認知機能に困難があるのかを深く知りたい」というニーズのもとに施行される検査を選択する必要があります。

選択肢1. Conners3

こちらはADHDや行動上の問題を評価する質問紙検査です。

今回はADHDの評価(多動、衝動、不注意など)を目的としておらず、非該当です。

選択肢2. KABC−Ⅱ

こちらは認知処理能力、学習能力などの知能を測れる検査です。

当時例のように、認知の過程において「どこでつまずいているのか」を検証したい場合に用いられます。

また、難聴児でも比較的実施しやすいところも選択肢として最適です。

選択肢3. SCT

こちらは人格検査です。

学習に関する評価では基本的に用いず、非該当です。

選択肢4. Vineland−Ⅱ

こちらは適応行動尺度を測定する検査となっています。

発達障害や知的障害の適応尺度の測定には用いられることもありますが、学習に関する評価では第一選択とはなりませんので非該当です。

選択肢5. WMS−R

こちらは記憶に関する検査です。

基本的に成人向けの検査となっており、小学生には適応されませんので非該当です。

まとめ

当時例では「語彙に問題がない」ということがキーポイントとなっています。

文章理解や認知処理機能を測定したく、それらを詳しく評価できるKABC-Ⅱが有用です。

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03

軽度難聴を有しながら、英語授業開始時点から長文読解の困難が顕在化した女児の学習困難についての教育心理学事例問題です。
(分野:教育に関する心理学)
正答は「KABC-Ⅱ」です。

選択肢1. Conners3

ADHDの症状(不注意・多動・衝動性)を評価する行動評定尺度です。本事例の困難は注意・多動ではなく言語理解・認知処理の問題であり、またADHDを疑う記述も示されていないため不適切です。

選択肢2. KABC−Ⅱ

認知処理過程と学習能力を測定する個別式知能検査で、「継次処理・同時処理・計画・学習」という認知処理様式と「語彙・読み・書き・算数」という習得度の両面を評価できます。非言語性課題を含むため難聴児にも適用しやすく、本事例の条件に合致します。

選択肢3. SCT

未完成の文章を自由に完成させる投影法の心理検査で、パーソナリティ・対人関係・情緒面を評価します。学習上の認知処理能力の把握を目的とする本事例には適応外のため不適切です。

選択肢4. Vineland−Ⅱ

コミュニケーション・日常生活・社会性・運動という適応行動領域を評価する尺度で、主に知的障害・発達障害の適応機能把握に用いられます。本事例の主訴は学習上の認知処理困難であり、適応行動の評価は問題の核心と合致しないため不適切です。

選択肢5. WMS−R

言語性・視覚性・注意・遅延再生など記憶機能を包括的に評価する検査です。記憶障害が疑われる事例には有用ですが、本事例の困難は記憶の問題ではなく言語理解・認知処理の問題であるため不適切です。

まとめ

本問のポイントは「語彙は年齢相応(絵画語い発達検査)なのに読解・抽象表現が困難」という情報から、語彙以外の認知処理過程の問題を疑いKABC-IIを選択できるかです。難聴という条件から聴覚的負荷の少ない非言語課題を含む検査が適切という視点も重要です。

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