公認心理師 過去問
第9回(2026年)
問151 (事例検討 問15)
問題文
14歳の男子A、中学2年生。体育館で喫煙しているところを担任教師に見つかり、母親Bに連絡が入った。Bによると、Aは小学生の頃はおとなしかったが、中学受験に失敗して以来、反抗的になった。コンビニエンスストアで缶ビールを万引きして補導されたり、Bの財布から現金を盗み、注意したBを殴って怪我をさせたりしたこともあるという。中学校では、入学直後から、同級生への恐喝や、教室の備品の破壊、無断下校などの問題行動を繰り返している。授業中にいらいらして教室を飛び出すことも多いが、成績は中程度である。Bは、「厳しくしつけてきたのに、なぜこうなったのか分からない」と困惑している。
Aの状態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第9回(2026年) 問151(事例検討 問15) (訂正依頼・報告はこちら)
14歳の男子A、中学2年生。体育館で喫煙しているところを担任教師に見つかり、母親Bに連絡が入った。Bによると、Aは小学生の頃はおとなしかったが、中学受験に失敗して以来、反抗的になった。コンビニエンスストアで缶ビールを万引きして補導されたり、Bの財布から現金を盗み、注意したBを殴って怪我をさせたりしたこともあるという。中学校では、入学直後から、同級生への恐喝や、教室の備品の破壊、無断下校などの問題行動を繰り返している。授業中にいらいらして教室を飛び出すことも多いが、成績は中程度である。Bは、「厳しくしつけてきたのに、なぜこうなったのか分からない」と困惑している。
Aの状態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。
- 素行症
- 適応障害
- 反抗挑発症
- 注意欠如多動症
- 自閉スペクトラム症
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この過去問の解説 (2件)
01
正しい選択肢は、「素行症」です。
Aは、喫煙、万引き、母親の財布から現金を盗む、母親を殴ってけがをさせる、同級生への恐喝、備品の破壊、無断下校などを繰り返しています。
これは、単なる反抗や一時的な不適応ではなく、他人の権利や社会のルールをくり返し破る行動が目立つ状態です。
正解です。
素行症は、他人の権利を侵害したり、年齢に合った社会のルールをくり返し破ったりする状態です。
たとえば、暴力、脅し、物を壊す、盗む、重大なルール違反などがみられます。
Aには、万引き、現金を盗む、母親を殴る、同級生への恐喝、備品の破壊、無断下校などがあります。
これらは、素行症でみられる行動に当てはまります。
適応障害は、はっきりしたストレスをきっかけに、気分の落ち込みや不安、行動の問題などが出る状態です。
Aは中学受験の失敗後に反抗的になったとされていますが、その後の行動は、万引き、暴力、恐喝、破壊など広い範囲に及んでいます。
一時的なストレス反応としての適応障害よりも、素行症として理解するのが適切です。
反抗挑発症は、大人に反抗する、怒りっぽい、口答えをする、わざと人を困らせるなどの行動が中心です。
ただし、他人を傷つける暴力、盗み、恐喝、物の破壊といった重大な行動が目立つ場合は、反抗挑発症よりも素行症を考えます。
Aは反抗的なだけでなく、母親を殴ってけがをさせたり、同級生を恐喝したり、備品を破壊したりしています。
そのため、反抗挑発症よりも素行症が適切です。
注意欠如多動症は、不注意、多動性、衝動性が中心となる状態です。
忘れ物が多い、集中が続かない、じっとしていられない、順番を待てないなどがみられます。
Aは授業中にいらいらして教室を飛び出すことがありますが、問題文の中心は不注意や多動ではありません。
自閉スペクトラム症は、対人関係やコミュニケーションの難しさ、こだわりの強さ、感覚の偏りなどが特徴です。
Aには問題行動が多くみられますが、相手の気持ちを読み取りにくい、会話がかみ合いにくい、強いこだわりがあるといった特徴は示されていません。
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02
素行症は、他者の権利や社会的規範を繰り返し侵害する行動が持続的にみられる障害です。攻撃行為、窃盗、破壊行為、重大な規則違反などが特徴とされています。本事例では、万引き、恐喝、暴力、器物損壊、無断下校など複数の反社会的行動が継続して認められており、素行症の特徴に合致しています。
素行症では、他者への攻撃、財産の破壊、窃盗やだまし、重大な規則違反などが反復してみられます。本事例では、万引き、母親への暴力、同級生への恐喝、備品の破壊、無断下校などが認められ、素行症の診断基準に合致する状態と考えられます。
適応障害は、明確なストレス因に対する情緒面や行動面の反応が主な特徴です。本事例では問題行動が長期間にわたり反復しており、適応障害よりも素行症の特徴が強くみられます。
反抗挑発症は、怒りっぽさや反抗的態度、権威者への口答えなどが中心となる障害です。他者への暴力や窃盗、恐喝などの重大な権利侵害行為は通常含まれません。本事例は反抗挑発症よりも重症な状態と考えられます。
注意欠如多動症では、不注意、多動性、衝動性が中心症状です。衝動的な問題行動がみられることはありますが、本事例のような反社会的行動の反復を説明するものではありません。
自閉スペクトラム症では、対人コミュニケーションの困難さや限定された興味・反復行動が特徴です。本事例の中心となっている反社会的行動や攻撃行動を説明する診断ではありません。
反抗的な態度だけであれば反抗挑発症も考えられますが、本事例では万引き、恐喝、暴力、器物損壊など他者の権利や社会的規範を侵害する行動が繰り返されています。そのため、最も適切なのは素行症です。
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